最終更新日:2019/01/03
季節限定で市場に出回るチーズの代表格が「モン・ドール」でしょう。
今や身近な輸入食品店やインターネットで簡単に手に入るようになり知名度も上がっています。
あなたもモン・ドールの基礎知識や食べ方を知って季節の楽しみを増やしませんか?
Contents
チーズの分類;ウォッシュタイプ
産地:フランス/フランシュ・コンテ地方、スイス/ジュラ地方
原料乳:牛乳
モン・ドールの特徴は3つ、「季節限定」「エピセアの香り」「トロトロ」です。
モン・ドールは、製造期間が法律で決められています。
製造が8月15日から翌年3月15日まで。販売期間は9月10日から翌年の5月10までです。
そして、チーズの熟成が進んで旨味がのって季節的にも盛り上がってくるのが冬です。
特に11月から2月くらいの間がモン・ドールの旬といってよいでしょう。
モン・ドールは、エピセアというこの地方に多く植わっている樹皮の香りを纏わせて熟成させるのが特徴です。
ただのウォッシュチーズではなく、このエピセアの香りがあってこそモン・ドールなんです。
モン・ドールの魅力は何と言っても生地のトロトロ具合です。
よく熟成した味ののったモン・ドールをスプーンですくって楽しむのがこのチーズの醍醐味です。
モン・ドールは名前の通り、産地であるフランスとスイスの国境にあるジュラ山脈のモン・ドール山に由来します。
「モン・ドール(Mont d’Or)」は直訳すると「黄金の山」を意味し、チーズの熟した色と冬の朝日に輝くこの山の色がともに黄金色だったことからこの名前が付けられたとも言われています。
モン・ドールは別名「ヴァシュラン・デュ・オー・ドゥー(Vacherin du Haut-Doubs)」とも呼ばれます。
ヴァシュランとは、この地方のウォッシュチーズの総称です。
また、「モン・ドール」はフランスのフランシュ・コンテ地方産のものを言うのに対し、スイスのジュラ地方産のモン・ドールは「ヴァシュラン・モン・ドール」と表記されます。
モン・ドールは、無殺菌の牛のミルクからつくられます(スイス産のヴァシュラン・モン・ドールは55℃以下の殺菌が行われる)。
ミルクをレンネットで凝固させ型枠で軽く固めた後、側面にエピセアの樹皮の帯を巻いてゴム輪で止めます。
それをエピセアの板の上で表面を塩水で洗いながら反転を繰り返し、最低3週間熟成させます。
その後、エピセアの木箱に入れられモン・ドールは出荷されます。
上の写真は間食後のモンドールです(笑)
左の立てかけてある木の帯が、熟成時に生地に巻かれていたエピセアの樹皮です。
そして、出荷時に右側のエピセアの木箱に入れられて商品となります。
モン・ドールは外皮が厚く食感も悪いため外してトロトロの生地をスプーンですくって楽しみます。
ただし、皮を捨てるのはもったいないです。
写真のように、木枠に沿ってナイフで切れ目を入れて、上部の外皮をそのまま外します。
そして、その外した外皮は保存時にフタとして戻します。
写真のように、外した上部外皮を生地に戻して、さらにピッタリとラップを纏わせて木箱のフタを閉めます。
その後、密閉容器に入れて冷蔵庫で保存します。
モン・ドールは香りが強く、そのまま冷蔵庫に入れるとにおいが庫内に充満します。
チーズの乾燥を防ぐ意味でもジッパー付きの袋や密閉容器でさらに包んで保存しましょう。
上で述べたように、モン・ドールはトロトロの生地をスプーンですくって食べるチーズです(トロトロでもスプーンを逆さにして落ちないくらいが食べ頃と主張する人が多い)。
何も付けなくても、そのままで十分楽しめます。
また、パンやゆでたジャガイモにのせてコショウをふって食べても美味しいです。
モン・ドールはそのまま食べる以外にも、オーブンで温める食べ方があります。
その場合、白ワインを少し加えてフォンデュのようにしてジャガイモやパンなどと楽しみます。
おすすめは、1/2~1/3はそのまま食べて、残りはオーブンでフォンデュにする食べ方です。
その時は、ふたや側面、下部に付いた外皮をこそげ取って細かくしてから白ワインをスプーン1~2杯と好みでニンニクを加えてオーブンで溶かしましょう(アルミホイールで巻いて200度のオーブンで20分ほど)。
王道は、同郷のヴァン・ジョーヌというワインです。
また、モン・ドールの木の香りに合わせて樽の香りの効いた白ワインやシャンパンもとても良くマッチします。
さらに、ウォッシュチーズは日本酒との相性も良いため、木樽の香りの効いた日本酒もおすすめです。
違う生産者のモン・ドールを食べ比べができる2個セットです。
美味しいですし日持ちもするので2個なんてあっという間です。
アルノ―社のモン・ドールもファンが多いです。
モン・ドールは一度美味しさを知ってしまうと毎年その季節に食べたくなるチーズです。
例えば、ボジョレー・ヌーボー解禁日やクリスマス、年末年始などイベントの時にワインやシャンパンとともに楽しんでみてはいかがでしょうか?
そうすればいずれモン・ドールが毎年恒例のチーズになるに違いありません。
季節を贅沢に彩るモン・ドールをぜひお試しください。