最終更新日:2020/05/15
ドイツは世界2位のチーズ生産国(2019年)にもかかわらず、ドイツ原産のチーズと聞かれて答えられる人は少ないのではないでしょうか。
実際、世界的に知られているドイツ原産のチーズは片手で数えるほどしかありません。そして、カンボゾーラはその中で最も有名なチーズのひとつ。
この記事では、カンボゾーラとはどんなチーズなのか、特徴や種類、食べ方などの基礎知識を解説します。
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チーズの分類:ソフトチーズ(白カビと青カビの混合)
産地:ドイツ
原料乳:牛乳
固形分中乳脂肪:60~70%
カンボゾーラの産地は、ドイツの南、オーストリアとの国境に近いバイエルン州のアルゴイ地方です。
1980年にアルゴイ地方に拠点を置くKäserei Champignon社が世界市場に向けて発売しました。
カンボゾーラという名前は、白カビチーズの「カマンベール」とブルーチーズの「ゴルゴンゾーラ」を組み合わせた造語です。
その名の通り、白カビをまとった外皮の中には青カビが植え付けられています。
また、牛乳にクリームを添加して乳脂肪分を高めたクリーミーな生地もカンボゾーラの特徴です。固形分中乳脂肪は70%(60%のものもある)です。
さらに、カンボゾーラは「Lactose Free(乳糖フリー)」を強く謳っています。
そもそもチーズに含まれる乳糖の量は0~5g/100g程度と少ないのですが、カンボゾーラの乳糖の量は0.01 g/100 g以下とほぼゼロです。これによって重度の乳糖不耐症(乳を取るとお腹がゴロゴロする)の人でも安心して食べられます。ただし、乳糖不耐症は一度に12g程度の乳糖を摂取しないと症状は出ないとされているのでどのチーズでもそれほど気にする必要はありません。
ちなみに、カンボゾーラと同タイプのドイツ産のチーズに「バヴァリア・ブルー(Bavaria blu)」というチーズがあります。バヴァリア・ブルーはカンボゾーラよりも早い1972年に誕生したチーズですが、知名度は圧倒的にカンボゾーラが上です。
カンボゾーラは、サイズや製法の違いなどに以下のような種類があります。
Cambozola Classic(クラシック)
最もスタンダードなタイプで、400g、150gのホールサイズもあります。
Cambozola Black Label(ブラックラベル)
より長期間低温で熟成させた特別なタイプです。周りは灰色のカビで覆われ、風味はブルーチーズの個性がより強く出ています。
Cambozola Simply Gourmet
カンボゾーラのロングライフタイプ(包装後加熱処理をすることで熟成を止め保存性を高めたもの)も発売されています。
それでは、ここでカンボゾーラのロングライフタイプの「Simply Gourmet」がどんな商品かご紹介します。
通常のカンボゾーラとの大きな違いは下記です。
・ロングライフチーズなのでこれ以上熟成しない
・サイズ 125g の小型
・固形分中乳脂肪は60%(通常のカンボゾーラは70%)
以上のように、カンボゾーラをよりコンパクトで軽やかに仕上げたタイプと言えます。
チーズはこのように密閉容器に入っています。
白カビに覆われた外皮はさらっとしててプレーンな質感。香りは白カビのシャンピニオンやミルクの印象にやや過熱臭(ロングライフの特徴)も感じられます。
クリーム色の生地はもっちりかつクリーミーで、黒みがかった青かびが斑点状に点在しています。
薄い食感のある皮を噛むとなめらかな生地が口に広がり自然に溶けていきます。
全体としてはカマンベールの印象が強く、青カビの風味はかなり控えめです。辛味も穏やかでクリーミーでリッチな食べやすい味わいです。
商品の名前にsimplyとあるように、通常のカンボゾーラよりもシンプルな印象ですが、他社のロングライフカマンベールと比較すると乳脂肪の多さから食感のクリーミーさが強いのが特徴です。
以上のように、カンボゾーラはクリーミーな質感と白カビと青カビの個性を備えたリッチでマイルドな味わいが魅力のチーズです。
食べ方としては、クラッカーやパンはもちろん、いちじくなどのフルーツやはちみつなど甘めの食材と特によく合います。
また、クリーミーな生地を生かしてディップのベースにしたり、グラタンなどの料理に使うのも良いかもしれません。
お酒に合わせるなら、スパークリングワインやフルーティーな甘めの白ワイン、軽めの赤ワイン、爽やかな白ビールがおすすめです。
数少ないドイツ原産のチーズには、ぜひドイツ産の食品と合わせたいところ。
ライ麦系のドイツパンややや甘く軽やかなドイツワインと合わせれば気分が一層上がること間違いありません。