最終更新日:2019/02/18
冬にぜひ楽しみたいチーズのひとつが「テット・ド・モワンヌ」です。
スイス産のセミハードチーズですが、ジロ―ルという特別な削り器を使って食べるちょっと変わったチーズです。
この記事では、チーズ好きなら絶対に押さえておきたい「テット・ド・モワンヌ」の基礎知識を解説します。
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チーズの分類:セミハードタイプ(非加熱圧搾)
産地:スイス/ジュラ地方
原料乳:牛乳(無殺菌乳)
フランスとスイスの国境に位置するジュラ地方でつくられるセミハードタイプのチーズです。
写真のように「ジロール」という削り器で薄くスライスして楽しみます。
プレゼンテーション効果も高く、レストランでも冬の定番チーズのひとつです。
スイスのチーズは冬がぴったり。
11月から3月くらいの期間に美味しいものが出回っています。
味わいは、コクあり濃厚で旨味もしっかりのってます。
塩水で拭きながらエピセアの棚の上で最低75日間熟成させるためウォッシュチーズのような特有の香りも感じ、その独特で複雑な風味が特徴です。
中にはこの風味をチータラと表現する人もいます(笑)
軽やかな食感と濃厚な風味はおつまみにもパーティーのアペリティフとしてもおすすめです。
テット・ド・モワンヌ(Tête de Moine)は直訳すると「坊主の頭」を意味します。
この名前の由来は、スイスのジュラ地方のベルレー修道院の僧たちがつくったという説と、農婦が修道院に修道士の頭数だけ、このチーズを納めたという説があります。
また、テット・ド・モワンヌは、このチーズがつくられた修道院の名前から「ベルレー」という別名もあります。
テット・ド・モワンヌとセットで語られるのが「ジロール」と呼ばれるチーズ削り器です。
写真のように刃の付いたハンドルをクルクル回して薄くスライスします。
削ったフリル状のチーズは自然とまるまり、その様子が「ジロール」というキノコに似ていることから名前が来ています。
テット・ド・モワンヌは、このジロールで削って食べてこそこのチーズの魅力が発揮されます。
なかなか家庭にジロールを持っている人は少ないですが、今は通販などで簡単に手に入ります。
チーズ自体は日持ちがしますし、冬の恒例としてこのチーズを楽しむためにジロールを購入してみるのもおすすめです。
下にご紹介するジロールは、カバー付きのセットで大変便利です。
乾燥した冬でもカバーをしておけば、部屋に放置していてもチーズの乾燥やにおいが広まるのを防ぐことができます。
もし、ジロールがない場合は、チーズスライサーで薄く削って楽しみましょう。
テット・ド・モワンヌの保存で最も注意すべきはチーズの乾燥です。
比較的大型のチーズですのでゆっくり楽しめますが、購入してから日が経つごとにチーズは乾燥していきます。
テット・ド・モワンヌが乾燥してくると、ジロールで上手く削れなくなったり、食感が悪くなったり、最悪チーズ自体が割れてしまいます。
しばらく食べない場合は、ジロールから外し、ラップをしっかりして密閉袋や容器に入れて冷蔵庫で保存。
さらに、上から湿らせた布をかけるとよりチーズの乾燥を防ぐことができます。
また、室温で放置しておくときもドームでフタをしたり湿らせた布をかけておくだけで状態は違ってきますよ。
テット・ド・モワンヌは日持ちのするチーズですが、最後まで美味しく食べるために乾燥対策はしっかり行うことをおすすめします。
テット・ド・モワンヌは、基本的に上でご紹介したように薄くスライスしてそのまま食べるのがおすすめです。
濃厚で複雑なこのチーズは、薄くスライスして空気を含ませながら風味を楽しむ食べ方がベストです。
クルミなどのナッツやドライフルーツ、生ハムやサラミを添えても美味しいです。
サラダに入れても良いアクセントになります。
ワインは、辛口の白ワイン全般とよく合います。
同郷ジュラ地方のシャスラ種の白ワインやブルゴーニュのシャルドネがおすすめです。
また、旨味がしっかりのったチーズなので日本酒との相性も抜群です。
テット・ド・モワンヌは知名度はそれほど高くなくマニアックではありますが、その味わいは日本人受けする味わいです。
私のサービスの経験上、テット・ド・モワンヌはゲストの反応が特別大きいチーズのひとつです。
繊細でありながら旨味たっぷりでどこかおつまみのような懐かしい味がします。
クルクルとジロールを回す楽しさも加わって、家族や友人との団欒も盛り上がります。
ビールや日本酒にもとても良くマッチするので飲み過ぎを誘うチーズでもあります(笑)
宅飲みやパーティーがお好きなあなたはぜひご自宅でも試してみてはいかがでしょうか。