最終更新日:2019/04/24
チーズの中で最も個性的で抵抗を持つ人が多いチーズと言えば「ブルーチーズ」でしょう。
見た目、香り、味のどの要素にもインパクトがあります。
だからこそ選ぶのにちょっと勇気がいるブルーチーズ。
この記事ではそんな不安を解消すべく、ブルーチーズの種類や食べ方などブルーチーズを楽しむ前に知っておきたい知識を徹底解説します。
Contents
ブルーチーズとは、チーズの生地に青カビ(ペニシリウム・ロックフォルティなど)を生育させたチーズです。
もちろんブルーチーズの青カビは人体に無害であり、逆に健康に良い効果もあると言われています。
ブルーチーズの青カビは脂肪分解酵素を分泌し、それによって生じる遊離脂肪酸やメチルケトンなどの物質が、ブルーチーズ特有の風味を生み出しています。
ブルーチーズは基本的に塩味が強く脂肪分も他の種類よりも多めです。
しかし、ブルーチーズにもたくさんの種類があり、香りや青カビの入り具合、辛味の強さはまちまちでバラエティに富んでいます。
それでは、代表的なブルーチーズ15種類を選び、その特徴と食べ方をご紹介していきます。
ブルーチーズを購入するときは、味の好みに加え、どのような食べ方をするかで選ぶことも重要です。
ワインとともに単体で楽しむのか、料理に使うのか、おやつとしてお茶とともに食べるのかなど。
これからご紹介する内容を参考にあなたの目的に合ったブルーチーズを選んでみてください。
ブルーチーズのタイプの1つに、外皮が白カビで覆われたブルーチーズがあります。
まさにブルーチーズと白カビチーズを足して2で割ったようなイメージです。
辛味やクセも穏やかでマイルドな味わい。
ブルーチーズが苦手な人でも食べられてしまうほど食べやすいチーズです。
ブルーチーズ初心者のあなたは、まずはこのタイプから試してみてはいかがでしょうか。
食べ方もワインに限らず、コーヒーとともにおやつにしたり、サンドイッチやサラダに入れて朝食としてもおすすめ。
味わいがマイルドなので、チーズの温度も冷蔵庫から出したてではなく常温に戻したり焼いたり食べ方を工夫するとより楽しめます。
フランスのブレス地方でつくられる白カビ系ブルーチーズの代表的なチーズです。
ミルクに生クリームを添加して(乳脂肪55%)リッチに仕上げたマイルドな味わい。
クリーミーで青かびの風味も穏やかです。
ワインはコクありの白ワインや軽めの赤ワインがおすすめ。
カマンベールとゴルゴンゾーラを組み合わせた造語から名付けられたカンボゾーラ。
ドイツ産のマイルドなブルーチーズです。
乳脂肪分は70%とブレスブルーよりもクリーミーでコクがあります。
ブルーチーズというより白カビタイプに近い味わいです。
乳脂肪分が多いのでバゲットやライ麦パンなどにバター代わりに塗って楽しむ食べ方もおすすめです。
スーパーでも売っている馴染みのチーズです。
これは「ロングライフチーズ」と呼ばれる熟成チーズを加熱殺菌して保存性を高めたチーズです。
味わいはあっさりクセがなく穏やか。
青カビの風味もほんのりアクセント程度です。
お酒に合わせるにはちょっと弱いですが、おやつや朝食で使いやすいブルーチーズです。
食べ方として、ココットに野菜などの具材を入れてオーブンやレンジで温めると簡単おつまみになります。
フランス東部のアルプス山脈近くでつくられるブルーチーズです。
白カビを覆わせたブルーチーズの最高峰とも言うべきチーズでAOPも取得しています。
もっちりした食感にナッツのような深く複雑な風味が感じられます。
味わいはやはりマイルドです。
青カビの辛味も穏やかで食べやすさも抜群。
クルミと生クリームを混ぜトーストにのせて焼くのもおすすめの食べ方。
ワインなら、ライトからミディアムボディの赤ワインがおすすめです。
白カビで覆われたブルーチーズ以外にも、青カビをそこまで感じない食べやすいチーズはあります。
ここでは白カビ系ブルーチーズよりもうワンステップ辛いブルーチーズに挑戦したいあなたにおすすめチーズをご紹介します。
ブルーチーズらしい風味や味わいはより強くなりますが、とっても食べやすいブルーチーズです。
はちみつやドライフルーツ、甘口ワインと合わせればデザート感覚で楽しめます。
ペースト状で滑らかに仕上げたブルーチーズです。
フランス・オーヴェルニュ地方の「サン・タギュール」というチーズをさらにマイルドで食べやすくした商品です。
ペースト状なので、そのままサラダやフライドポテトにかけたり、野菜のディップにするなどソースのような食べ方ができます。
青カビのクセも穏やかでブルーチーズ初心者にもおすすめです。
ブルーチーズで最も知名度と人気が高いのが「ゴルゴンゾーラ」です。
イタリア北部でつくられる牛乳製のブルーチーズです。
ゴルゴンゾーラには「ドルチェ」と「ピカンテ」という2種類があり、そのうち圧倒的に生産量が多いのは「ドルチェ」です。
ドルチェは青カビの辛味が穏やかでミルクの甘みをしっかり感じられる食べやすさが人気です。
王道の食べ方は、はちみつとともに。
はちみつを添えて薄くスライスしたバゲットにのせて食べれば青カビはほとんど気になりません。
今や輸入食品店では必ず置いてあるほどの人気チーズです。
フランス産ブルーチーズで高い人気を誇るのが「フルム・ダンベール」です。
青カビはしっかり入っていますが、味わいは辛味が少なくマイルドです。
ブルーチーズに慣れていない人にもおすすめできるチーズです。
また、フルム・ダンベールは味わいがマイルドなためお酒に漬けるなど熟成にアレンジを加えたものも多いのが特徴です。
ご紹介するフルム・ダンベールは甘口ワインに漬けて熟成させたブルーチーズです。
ブルーチーズ特有の風味はより穏やかになり、上品な香りと繊細な質感が魅力のチーズです。
ブルーチーズ好きは絶対に押さえておきたいチーズです。
それでは最後に、風味、辛味がしっかり効いたお酒が進む味わいをお求めのあなたにおすすめなブルーチーズをご紹介します。
どれも「ブルーチーズはこうでなくっちゃ!」と感じるパンチのある味わいです。
それでもチーズによって個性があるのが面白いところ。
あなたの気になるブルーチーズはどれですか?
イギリスを代表するブルーチーズが「スティルトン」です。
「ゴルゴンゾーラ」「ロックフォール」とともに世界3大ブルーチーズの1つとされています。
生地はねっとりクリーミーな食感で、味わいは強すぎずマイルドでバターのような香味があります。
パンチ系ブルーチーズの中ではマイルドよりのブルーチーズです。
ブルーチーズの辛味が強すぎないので料理に使いやすいのも特徴です。
ポルトガルの酒精強化ワインであるポートワインと合わせる食べ方が有名です。
ゴルゴンゾーラのピカンテは、青カビがしっかり入ってより辛味が効いた力強い味わいのブルーチーズです。
このチーズの魅力は生産量が多く、比較的安価であるところです。
スーパーでも置いている店が多く料理にも抵抗なく使えます。
そのまま食べてももちろん良いですが、サラダやパスタ、ピザなどの料理に合わせる食べ方もおすすめです。
南フランスで羊のミルクからつくられるブルーチーズが「ロックフォール」です。
まさにフランスを代表するファンの多いブルーチーズで、最も食通に好まれるブルーチーズと言っても過言ではないでしょう。
特徴は、上品な香りと滑らかな食感、羊のミルク特有のリッチなコクと力強い塩味です。
ブルーチーズの中でも特に値は張りますがその品質は金額に値します。
食べ方は、ソーテルヌワインなどの極甘口の白ワインやフルボディの赤ワインとそのまま楽しむのがおすすめです。
どのチーズにも言えることですが、ロックフォールは生産者によって味わいも大きく異なります。
個人的におすすめなのがカルル社のロックフォールです。
ぜひ一度お試しください。
世界三大ブルーチーズ「ロックフォール」「スティルトン」「ゴルゴンゾーラ」を食べ比べしたいなら、これらがセットになったものもあります。
そのチーズの個性を感じ取るために食べ比べほど有効な方法はありません。
ロックフォールと同じ産地で製法も真似てつくられる牛乳製ブルーチーズで、「牛乳版ロックフォール」とも呼ばれています。
味わいはロックフォールよりもマイルドで食べやすいですが、ロックフォールにはない独特の風味があります。
食感や香りの上品さ味わいのリッチさなどはロックフォールの方が上質な印象を受けます。
ロックフォールと食べ比べてみるのも楽しいですよ。
こちらはデンマーク版ロックロールです。
フランスのロックフォールに対抗してつくられ、かつて「ダニッシュ・ロックフォール」として販売されていました。
ダナブルーもブルー・デ・コース同様に牛乳製です。
味わいは辛味や塩味は効いていますが風味は穏やかです。
殺菌乳を使い安定した品質で価格も安価です。
料理用としてもおすすめのブルーチーズです。
フランス・オーヴェルニュ地方でつくられるブルーチーズです。
特徴はクリーミー旨味ののった味わいとナッツのような複雑な風味です。
フルボディの赤ワインとぜひお楽しみください。
ちょっと変わったブルーチーズをお探しなら「カブラレス」をお試しください。
スペインを代表するブルーチーズで、牛乳を主体に季節によって山羊乳や羊乳も加えられます。
混乳製が特におすすめで、より複雑でコクのある味わいが楽しめます。
洞窟でゆっくり熟成させ青かびの刺激も強く感じます。
ブルーチーズ好き納得の一品です。
国産チーズにも美味しいブルーチーズはたくさんあります。
その中で特におすすめなのが「アトリエ・ド・フロマージュ」のブルーチーズです。
チーズの食感、旨味、香りの上品さ、どれもが上質です。
塩味や辛みもしっかり効いたパンチ系ですが、旨味とミルクの風味もしっかり感じます。
個人的には、「ロックフォール」と同等レベルに大好きなブルーチーズです。
これまで見てきたように、ブルーチーズの種類はたくさんあり、味わいのバリエーションも豊富です。
これだけ種類があると選ぶのに悩んでしまいますが、一番のヒントは「どのような食べ方でチーズを楽しむか」です。
例えば、フルボディの赤ワインと合わせるならパンチ系のブルーチーズが良いですし、ライトボディの赤ワインや白ワインなら白カビ系ブルーチーズがおすすめです。
そのまま食べるならより上質なチーズをチョイスしたいですし、パスタのソースに入れたりピザやサラダのアクセントに入れるなら比較的安価でクセの穏やかなゴルゴンゾーラやダナブルーが良かったりします。
もちろん料理に使うにも、「このブルーチーズ特有の風味を料理に活かしたい」とレシピをアレンジするのも楽しいです。
ぜひ各チーズの特徴を把握して食べ方に合ったブルーチーズを選んでみてください。