最終更新日:2020/06/02
このところ腸活という言葉をよく聞くように、腸の健康が免疫力アップなど体の健康に繋がることは広く知られてきています。
そして、研究によると腸は脳の健康にも密接に関係することが分っています。腸を健康に保つことは、うつ病予防や脳機能の改善にも効果があるんです。そして、チーズの摂取もその大きな助けになります。
この記事では、脳の健康に重要なセロトニンという物質に注目しながら、腸内環境と脳とチーズの関係を取り上げます。
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上で述べたように、腸内環境と脳は密接に関係しています。
臓器は通常、脳からの指令によって活動を行いますが、腸は少し違います。
腸は脳からの指令がなくても独立して活動できる唯一の器官で「第2の脳」とも呼ばれています。腸内には無数の神経細胞があり、独自のネットワークが築かれています。
その腸内の神経細胞は脳と繋がっており、腸から脳に情報が与えられることで脳の活動に大きな影響も及ぼすとされています。
つまり、腸と脳は双方向的に関係していて、腸は脳から指令を受けると同時に、腸からも脳に情報を与えているんです。
脳の健康にとって最も重要な情報伝達物質のひとつが「セロトニン」です。
セロトニンは、ハッピー分子とも呼ばれ、感情や気分の安定に大きく関わっています。抗うつ薬としても使われており、精神の安定や脳機能の維持に不可欠な物質です。
セロトニンは、腸と脳で分泌されます。腸内では腸の活動を促す役割をし、脳内では精神の安定をもたらします。うつ病予防など脳の健康の面で見ると、いかに脳内で分泌されるセロトニンの量を増やすかが重要と言えます。
脳内でのセロトニンの分泌は、食品から「トリプトファン」という物質を摂取し、それが脳に運ばれることで起こります。トリプトファンは、体内では生成されず食品から摂取する必要があります。
ただし、いくら食品からトリプトファンを大量に摂取しても腸内環境が良くないと脳にトリプトファンは届かないと言われています。それは、腸内細菌がトリプトファンを脳に送る働きをしているからです。
そのことからも人間の幸福感や精神の安定は腸が握っているとも言えるんです。
セロトニンのもとトリプトファンは体内では生成できないので食事から摂取する必要があると述べました。そして、そのトリプトファンはチーズに豊富に含まれています。
つまりチーズにはハッピー分子のもとが多く含まれているんです。
また、チーズは発酵食品であり、腸の健康に役立つ乳酸菌も摂取することができます。それによって善玉菌優勢の良い腸内環境がつくられ、セロトニンのもとを脳に多く届けることができます。
また、腸内環境が良くなれば、脳の機能も向上すると言われています。脳の機能にとって不可欠な物質であるBDNFの量は、腸内細菌のバランスに完全に依存していることが分っています。BDNFの減少は、うつ病、癲癇、アルツハイマー病、認知症など一連の神経系疾患に繋がります。
このように、腸と脳は密接に繋がっています。
善玉菌優勢な腸内環境が、精神の安定や脳の健康を正常に導きます。そして、チーズもその働きに大きく寄与します。
また、腸内環境を整えるには、バランスの良い食事も重要です。特に食物繊維をとることが大切です。チーズを楽しむときは野菜も一緒に食べると腸内環境改善により効果的です。
ちなみに、セロトニンを分泌する神経は、日光を浴びること、適度な運動を行なうことによって活性化されます。そういう意味では、うつな気分のときは軽い運動をしてみるのも良いかもしれません。
チーズを食べてセロトニンのもとを取り込み腸の健康を意識することで、あなたが幸せを感じる時間はきっと増えていくに違いありません。