最終更新日:2020/06/02
腸内フローラとダイエットの関係は近年注目の話題の1つです。
腸内環境が、太る痩せるにどうして関わってくるのか不思議ではありませんか?
この記事では、腸内フローラがダイエットにとってなぜ重要なのか、そのメカニズムについて解説します。
Contents
腸内フローラがどうしてダイエット効果に影響を及ぼすのでしょうか?
その大きな理由として以下の3点が挙げられます。
人間の腸内にはたくさんの種類の細菌が生育しています。
その中で、ダイエットの観点でよく話題に出てくるのが、「フィルミクテス門」と「バクテロイデス門」という腸内細菌です。
この2つの種類の細菌は「日和見菌」とも呼ばれ、腸内細菌の大部分を占めています。
そして、腸内フローラで「フィルミクテス門」と「バクテロイデス門」どちらの腸内細菌が優勢かによって肥満の体質に差があることがわかっています。
「デブ菌」とも呼ばれるダイエットに好まれない菌の種類です。
最新の研究で、この種類の菌は脂肪の吸収を助け、食べ物からより多くのカロリーを抽出することが分かりました。
つまり、フィルミクテス門が優勢な腸内フローラをもつ人は太りやすいということです。
また、フィルミクテス門は、人間の代謝や免疫系に悪影響を及ぼす遺伝子をコントロールしているとも言われています。
フィルミクテス門優勢な腸内環境は、肥満に繋がる遺伝子のスイッチをオンにします。
「痩せ菌」とも呼ばれるダイエットに好ましい菌の種類です。
バクテロイデス門は、でんぷんと繊維を小さく分解しエネルギーとして使えるようにします。
そして、バクテロイデス門が食物繊維を消化、分解するときに生み出される短鎖脂肪酸は、脂肪の蓄積を抑え、燃焼を促す働きをします。
このように2種類の腸内細菌の比率によって代謝機能や肥満遺伝子の発現をもコントロールしています。
こうして見ると、「バクテロイデス門」優勢の腸内フローラをいかにつくるかがダイエット成功の鍵のひとつであることが分かります。
ダイエットと血糖値は密接に関わっています。
血液中でインスリンによって分解されきれずに残った糖は、体の至る所に炎症を引き起こします。
そして、その炎症が脂肪の蓄積に繋がります。
新しい研究によると、特定の腸内細菌が体の血糖値コントロールを助けていることがわかりました。
その実験では、健康でやせ型の糖尿病患者ではない人の糞便を糖尿病患者に移植したところ、血糖の乱れが改善されたという結果が報告されています。
つまり、腸内フローラを整えることで、血糖値の乱れが抑制され、脂肪の蓄積を防ぐことができます。
腸内細菌がつくる短鎖脂肪酸が食欲を抑制するホルモンの分泌を促すという実験結果が報告されています。
また、腸内細菌には、空腹をコントロールする働きをする菌もいます。
つまり、多様性のある豊かな腸内フローラが、食欲を制御し、結果ダイエットに繋がる効果が期待できます。
このように、腸内細菌の働きによってダイエットに関する多くの効果が報告されています。
そして、多種類の腸内細菌が生育する良い腸内フローラをつくるには、食事が最も大きな影響を及ぼします。
実際、腸内フローラの多様性の57%は食事の変化によって決まり、遺伝子による影響は12%という研究結果もあります。
つまり、日々の食事で健全な腸内フローラを育てる意識こそがダイエット成功の一番の鍵と言えます。
そのためには、発酵食品のような人間に良い影響を与える細菌が豊富な食品を摂取したり、善玉菌のエサになる食物繊維を摂ること。
また、腸内フローラを悪化させるような抗生物質や化学物質の摂取をなるべく避けること。
こうした日々の意識が当たり前になれば、あなたの体質は自然とやせ型になるに違いありません。
ぜひ一度普段の食事を見直して、出来ることから少しずつ改善してみてください。
良い変化は確実に起こってくるはずです。