最終更新日:2018/12/02
あなたはチーズ熟成士という職業があることをご存知ですか?
まさにその名の通り、チーズの熟成を専門に行います。
特にチーズの本場フランスでは立派な職業として地位を築いており、中には「M.O.F(MEILLEUR OUVRIER DE FRANCE)」という日本でいう人間国宝のような称号を持つ熟成士もいます。
また、熟成していないチーズを購入し、自社で熟成を行い販売するような大きな会社もあります。
日本ではフランスなどに比べてチーズの文化はまだ浅いので、熟成士なんて職業があること自体想像がつかないですよね?
そこで今回は「チーズ熟成士」にスポットを当て、一体彼らはどのような仕事をしているのかご紹介します。
チーズ熟成士とは、先ほども述べたように「チーズ熟成の専門家」です。
グリーンチーズと呼ばれる熟成前のチーズや熟成の浅いチーズを購入し、自分の熟成庫で熟成を行い、最高の状態に仕上げます。
大抵の熟成士は自分のチーズショップを経営していて、そこには彼らの感性やイマジネーションで溢れた魅力的なチーズが並び、人々を魅了しています。
さて、この熟成士の仕事は、熟成作業だけでなく、熟成前のチーズ選びの段階から始まっています。
熟成士は自分が熟成したいと思うチーズを選ぶため、農家に足を運び、質の良いチーズを見極めます。
味だけでなく、牛の飼料や飼育環境もチェックし、自分の目指す熟成に耐えられるクオリティの高いチーズを選びます。
つまり、このチーズ選びの段階からその熟成士のセンスが問われるのです。
こうして選んだチーズが農家から届くと、次はそれらをひとつひとつ細かく確認し、これから熟成を行うのに適した温度や湿度、熟成日数を想定し、それに相応しい熟成庫に移します。
熟成士は複数の熟成庫をもっている場合が多く、そのチーズに合わせて温度や湿度を変えて熟成を行っています。
熟成中は、チーズの様子を日々確認します。
色味の変化など外観を確認し、指で押したり、香りを嗅いだり、味見をしたりしながらチーズの熟成状態を把握。
そして、チーズを反転させたり、塩水を含んだ布で拭いたり、ブラッシングしたりなど、最適な熟成状態へ導くためのあらゆる作業を行います。
また、特別なお酒で洗ったり、ハーブやスパイスをまとわせたり熟成士の感性でアレンジを加えたりもします。
このように、五感をフルに働かせてチーズの熟成状態に適した処置を行いながら目指す味わいに仕上げていくんです。
こうして熟成士の知識や経験、なにより感性が表れたチーズが出来上がります。
そしてそれらは熟成士自身が運営するチーズショップをはじめ、契約するさまざまな国や地域へと運ばれていきます。
M.O.Fなどを持つ有名な熟成士のチーズになると、その名前自体がある種ブランドになります。
日本でもチーズショップなどで「M.O.F〇〇〇熟成」という商品を見かけたことはありませんか?
実際、熟成士の名前をつけるだけでチーズの質をより保証してくれるサインになります。
そして、チーズにはその熟成士の個性が自然と表れます。
フランスでは好きな熟成士のものしか買わない人もいるそうです。
このようにチーズ熟成士とは、チーズの世界ではある意味では花形の職業でもあるのです。
おそらく日本で最も知名度が高いのがこの「ロドルフ・ムニエ」でしょう。日本で言う人間国宝に値する「M.O.F.」の称号をもつ世界最高峰のチーズ熟成士です。
ロドルフ・ムニエのような優秀な熟成士のチーズを食べると、チーズの熟成の魅力を実感できます。
熟成士のチーズを試すならこちらのサイトがおすすめです。
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チーズをいろいろ食べ比べてみるとチーズの熟成がいかに重要かがよくわかります。
同じ産地のチーズでも、造り手によって驚くほど味が違うからです。
もちろん熟成前のチーズのクオリティも重要です。
しかし、熟成の良し悪しでチーズの品質が大きく左右されてしまいます。
その難しさから熟成士という専門の職人がいるんです。
優秀な熟成士のチーズを食べるとやはり違いがわかります。
ぜひあなたも試して実感してみてください。
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チーズ熟成士について興味のあるあなたは、こちらのDVDも勉強になります。