最終更新日:2020/05/09
かまぼこにチーズを合わせたケーシング詰のチーズ入りかまぼこは、コンビニでも売っていて、食事の一品、おやつ、おつまみとして広く親しまれています。
ふと思いつき、意識してチーズ入りかまぼこを探してみると意外と多くの企業がつくっていて種類も多いことに気づきました。パッケージを読むと何となく違うようにも見えますが、実際に味がどう違うのか気になっている人も多いのではないでしょうか?
そこで、現在コンビニやスーパーで手に入る身近なケーシング詰チーズ入りかまぼこを食べ比べ、その商品の特徴と味の違いをまとめてみました。
ぜひ選ぶときの参考にしてみてください。
Contents
まず第一にチーズ入りかまぼこと聞かれ思い浮かぶのは丸善の「チーかま」ではないでしょうか。実際コンビニやスーパーで置いているチーズ入りかまぼこの多くが丸善の「チーかま」です。
「チーかま」は、チーズ入りかまぼこの元祖です。丸善の開発研究員がドイツのソーセージに関する文献から「ソーセージにチーズを入れたものがある」ことを知ったことから着想を得て1968年に「おらが幸」という名で商品化。これがのちに「チーかま」として日本中で販売され大ヒット商品となります。「チーかま」は丸善の登録商標であり、「チーかま」と呼べるのは丸善だけです。
チーかまは、クセのないあっさりしたスケトウダラを主原料とするかまぼこにプロセスチーズを混ぜ合わせたチーズ入りかまぼこです(原材料欄には魚肉は「たら」と表示されています)。そして、混ぜ合わせるチーズの種類や配合比率などによって以下のような種類があります。
「チーかま」で最もスタンダードな商品です。オリジナルチェダーチーズが使用されています。サイズによってチーズの配合比率が微妙に違いますが(1本45g 12%配合と30g 10%配合)、食べた印象はそれほど大きな違いはありません。
シャッキリとした食感であっさりとしたかまぼこに、コクがあってまろやかなチーズがバランスよくマッチしています。まさにチーズ入りかまぼこのスタンダードとなる味わいです。
4種のチーズ(チェダー、ゴーダ、ゴルゴンゾーラ、パルメザン)を使用した濃厚タイプのチーかまです。チーズの配合比率は10%と15%の2種類。また、サイズは通常の中型、小型に加え、「BIGチーかま濃厚」という75gの大型サイズもあります。
オリジナルチェダーとの一番の違いは、チーズの風味がより華やかで複雑という点です。ゴルゴンゾーラやパルメザンのニュアンスを感じます。ただ、使っているチーズの個性はわかりやすく表れておらず、むしろオリジナルチェダーの方がチーズのコクを強く感じます。特にチーズ配合率10%のものはネーミングで謳うほど濃厚さは感じられません。
また、食感はオリジナルチェダーに比べてシャッキリ感が強くより硬めです。
また、セブン&アイグループと丸善が共同開発した「4種のチーズ入りチーかま」という同様な商品があります。セブンイレブンやイトーヨーカドーなどで販売されています。
使用しているチーズの種類は「チーかま濃厚」と同じですが、チーズの配合比率は15%です。その5%の違いによって、「4種のチーズ入りチーかま」の方が食感はより柔らかく味わいも濃厚です。
同上の4種のチーズに生唐辛子をブレンドした商品です。チーズは15%配合で濃厚な味わいです。
食べると唐辛子の香りがしっかり感じられピリッと舌がしびれる辛味もあります。最も濃厚かつパンチがありおつまみ向きの商品です。
かに風味のチーかまもあります。紅ズワイガニ3%とチーズ3%が配合されています。チーズ感は低く、カニの風味が前面に出たチーかまです。置いている店が少ないちょっとレアな商品です。
丸善のチーかまには、チーかまの中心に北海道産のクリームチーズを詰めた「クリーミーチーかま」というシリーズもあります。味は、「プレーン」「アンチョビ&オリーブ」「黒トリュフ」の計3種類。プリプリ食感のかまぼこと中に詰まった滑らかなクリームチーズの対比が魅力の商品です。
詳細はこちらの記事でも紹介しています。
→トリュフ香る大人のチーズ入りかまぼこ!丸善「クリーミーチーかま 黒トリュフ」
丸善のチーかまの次によく見かける商品が、メイホク食品の「チーズinかまぼこ」です。
メイホク食品株式会社は、株式会社なとりのグループ会社です。なとりと言えばチーズ鱈などチーズを使ったおつまみではトップシェアの企業ですが、チーズ入りかまぼこももちろん作っています。
メイホク食品の「チーズinかまぼこ」に加え、なとり自身も「チーズかまぼこ」という商品を販売しています。
どちらの商品も製造はなとりのグループ会社、函館なとりが行っており、商品の味はほぼ同じ。サイズが違います。
写真手前がなとり、奥がメイホク食品のもの
「チーズinかまぼこ」は、チェダーチーズを15%使用しています。かまぼこの原材料には「たら、エソ」とあります。
丸善のチーかまと比較した違いは以下の通りです。
なとりの方が
・食感はよりプリプリとした強めの歯応え
・かまぼこの魚の風味がより強く、塩味もより強い
丸善の方がまろやかでマイルドな印象
このように、丸善のチーかまよりも食感も味わいもやや強く感じます。チーズ感は同程度です。
また、メイホク食品の「チーズinかまぼこ」には、唐辛子を効かせた「ピリ辛味」もあります。
水産食品会社のニッスイ(日本水産株式会社)が製造するチーズ入りかまぼこがこちら。
ニッスイの「チーズかまぼこ」は、3種類のチーズ(チェダー・ゴーダ・カマンベール)を使用したプロセスチーズが12%配合されています。
また、ニッスイ独自の技術によって卵を使っていない点も特徴のひとつで、卵アレルギーの方も食べれます。ちなみに、この記事で紹介するニッスイ以外の商品はすべて卵を使っています。
味わいを丸善のチーかまと比較すると
ニッスイの「チーズかまぼこ」の方が
・食感はより柔らかく、チーかまの方がシャキシャキしている
・まろやかでやさしい印象
チーズ感や味のコクはチーかまと同程度です。
また、ニッスイは、イオンのトップバリュブランドの「濃厚チーズかまぼこ」の製造も行っています。さらにニッスイ自身のブランドでも同じ商品名で同様の商品を発売しています。
「濃厚チーズかまぼこ」は、5種類のチーズ(チェダー、ゴーダ、カマンベール、パルメザン、クリームチーズ)をブレンドしたプロセスチーズを使用しています。チーズの配合比率は、イオンブランドで21.5%、ニッスイブランドで20%。若干違いますがそれ以外はほぼ同じです。魚のすり身には「えそ、たら、ほき、いとよりだい」と記されています。そして、これら商品もまた卵は使われていません。
スタンダードなニッスイの「チーズかまぼこ」と比較すると、「濃厚チーズかまぼこ」はより生地は柔らかくクリーミーな食感で、味わいもより濃厚。クリームチーズの滑らかでリッチな印象が加わり、よりチーズ感とコクが強く感じられます。
ウインナーやハムなど肉加工品のイメージの強い丸大食品も、チーズ入りかまぼこを発売しています。
丸大食品の「とろーりチーズかまぼこ」は、3種類のチーズ(チェダー、ゴシュレット、ゴーダ)をブレンドしたプロセスチーズを10%使用しています。かまぼこの原材料は、魚肉としか表記はありません。
丸善のチーかまと比較すると以下のような違いがあります。
丸大食品の方が
・チーズ感や全体のコク、旨味など全体の味わいは穏やかで甘みをやや強く感じる。
・魚の風味が強く、若干クセがある
全体として穏やかな印象で甘味があり魚肉の風味がやや強く感じる印象です。
最後に、これまで見てきたまとめとして、「チーズ感」「食べやすさ」「おつまみ度」の3つの評価軸でランキングにしました。(あくまでも個人的な意見です)。
チーズ感
1位 ニッスイ・イオン「濃厚チーズかまぼこ」
2位 丸善「チーかま オリジナルチェダー」
3位 メイホク食品「チーズinかまぼこ」
食べやすさ
1位 ニッスイ「チーズかまぼこ」
2位 丸善「チーかま オリジナルチェダー」
3位 丸善・セブン&アイ「4種のチーズ入りチーかま」
おつまみ度
1位 丸善「ピリピリチーかま濃厚」
2位 メイホク食品・なとり「チーズinかまぼこ」
3位 ニッスイ・イオン「濃厚チーズかまぼこ」
※レア度の高い「かに入りチーかま」「クリーミーチーかま」は除外しています。
以上、チーズ入りかまぼこの種類をご紹介してきました。思った以上に種類が多くマニアックな内容になってしまいました。
記事に挙げたようにチーズの種類や味付け、配合率やスタイルは多様でメーカーによって味わいにも違いがありました。
あくまでも個人的な比較ですが、チーズ入りかまぼこを選ぶ際の参考にしてもらえれば幸いです。