最終更新日:2018/12/21
美味しそうなチーズを見つけて買ったはいいけど、どうやって切ったらいいかなと悩むことはありませんか?
せっかくのチーズですので美味しそうにきれいにカットしたいですよね。
そこで今回は、購入したチーズを美味しく楽しむために最低限知っておきたいチーズの切り方についてお話しします。
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チーズの大きさや形はさまざまです。
皮もあったりなかったり。
切り方に迷ってしまいます。
もちろんどんな切り方をしても大丈夫ですが、以下の注意点を意識して切り分けるとより綺麗に美味しく楽しむことができます。
1.各ピースのサイズを均等にする
2.各ピースの表皮の割合を均等にする
3.各ピースの熟成状態に差が出ないようにする
例えば、サント・モール・ド・トゥーレーヌという山羊のチーズを例に見てみましょう。
このチーズは写真のように、左右で太さが違います。
ですので、サイズを均等にするには、切る厚さを左ほど太くする必要があります。
また、このチーズには木炭粉やカビで覆われた外皮があります。
当然、皮の部分と生地の部分とでは食感や味わいが違います。
平等な切り方をするには、両端を切り落とし、各ピースの表皮の割合を均等にします。
そうしないと、2名分のチーズだけ皮が極端に多くなってしまいますよね。
上の写真は、カマンベールチーズの断面です。
見てわかるように、チーズの外側と中心部とでは熟成の状態が異なります。
チーズは外側から熟成が進みますので、写真のように外側は熟成によって生地が詰まって柔らかくなっています。
中心部は、生地がややボロボロしていて硬い状態です。
このように、同じ1つのチーズでも部分によって食感も味わいも違うんです。
ですので、切り分ける際は各ピースの熟成状態に差が出ないようにする必要があります。
このチーズの場合は、中心から放射状にカットすればどのピースも均等になりますね。
では、具体的にチーズの切り方の例を見ていきましょう。
チーズのタイプによって切り方は大体決まってきます。
ここでは、その法則として4つのコツをご紹介します。
先程のカマンベールのように、それほど大きくないチーズの場合は中心から放射状に切り分けます。
つまり、6Pチーズと同じ切り方です。
理由は、先程述べたように、どのピースも均等なサイズ、皮、熟成状態にするためです。
上の写真は、ブリ・ド・モーというチーズです。
このチーズは直径が大きいので、放射状の基本は守りながらも、中心から3分割しています。
当然ピースの差は出てきますが、このチーズの場合は仕方がないですよね。
部分による味わいの差が大きいチーズのひとつがブルーチーズです。
写真のように、皮周辺は青かびが少なくなっています。
熟成中に塩を表面に擦り付けて熟成させるため、味わいも塩味が強くなっています。
つまり、ブルーチーズの外側はあまりおすすめできない部分なんです。
ですので、切り分ける際は、放射状の法則に従いながらも、チーズの上下面は取り除きます。
(写真の場合、下面の部分を取り除く。取り除いた部分は、さらに細かく切り分けたり、料理に使ったりします)
「ブルーチーズの上下面は特別扱い」ということだけは覚えておきましょう。
セミハードやハードタイプのような大型チーズは、生地の中心部と外側の熟成差はそれほど大きくありません。
それに、購入する際は、すでに適当なサイズに切り分けられています。
ですので、基本的に切り方は自由です。
ただし、ハードチーズには厚く硬い外皮があります。
もし、購入したブロックに皮が付いていたら、なるべく各ピースの皮の付き方が平等になるような切り方をしましょう。
上の写真は、フランスのハードタイプのチーズ「コンテ」です。
コンテのようなハードチーズの皮は硬く食感を悪くするので食べません。
ですので、食べ手には皮を外してもらいます。
もちろん、切り分ける際に皮を取り除いてもいいですが、レストランなどではあえて皮を残して盛り付けます。
チーズの皮は、そのチーズがどのように熟成管理されてきたかを見る重要な箇所です。
ゲストにそれを確認してもらう意味でも皮は残しておきます。
また、ハードチーズの場合、切る厚さによって味の感じ方が違ってきます。
例えば、薄くスライスするようにカットすると、食べたときに空気をより多く含むので風味をより感じやすくなります。
一方で、厚めにカットすると、ハードチーズ特有の食感や味わいをより楽しむことができます。
同じチーズでも切り方を変えて、味の違いを感じてみるのもおすすめです。
皮がなく、熟成もしていないフレッシュチーズやプロセスチーズの切り方は自由です。
ハート形だろうが星形だろうがお好きな形で楽しみましょう!
ちなみに、チーズの切り方やきれいな盛り付け方法をもっと知りたいあなたには、こちらの本がおすすめです。
チーズのなかには、とても繊細で、すぐに崩れてしまったりカットが難しいものがあります。
そんなときにチーズ用のナイフを持っておくと便利です。
もちろん、基本的にはお持ちの包丁で全く問題ありません。
しかし、これから説明する5種類の道具は持っていると意外と役に立ちます。
綺麗にチーズを切るコツは、ナイフにもこだわること。
お持ちでない方はぜひ検討してみてください。
いきなりマニアックな道具に見えますが、要するに針金です。
これは、組織のもろいブルーチーズや柔らかく形が崩れやすいフレッシュチーズやシェーヴルチーズなどを切るときに使います。
実際カットしてみるとわかりますが、柔らかいチーズをナイフできれいに切るのは技術が必要です。
チーズによっては崩れたり潰れてしまったりして、せっかくのチーズが無残な姿になることも。
それが、この道具を使えば簡単にチーズを崩すことなく断面もきれいにカットすることができます。
柔らかいチーズがお好きな方は持っておいて損はありません。
ヤギのチーズ専用のナイフです。
このナイフの名前にもなっているクロタンというチーズのように、ヤギのチーズは小型で組織のもろいものが多いです。
このようなチーズを包丁のように刃の厚いナイフで切ってしまうとすぐにヒビが入って崩れてしまいます。
そのため、小さく、刃の薄いナイフがあると大変便利です。
写真のように、刃が波打ってのこぎり状になっているので、外皮のある柔らかいチーズでも形を崩さずに切ることができます(トマトも崩さず切れます)。
また、刃に穴が開いているのでチーズがくっつきにくいというメリットもあります。
ハードチーズを細かくカットするのにも使え、万能なナイフです。
片刃なので厚みのあるチーズをカットするときは切り口が曲がらないように注意しましょう。
パルミジャーノ・レッジャーノのようなハードチーズは摩り下ろしたり、薄くスライスしても楽しめます。
おろし器やスライサーはさまざまなものがありますが、写真のような形のものであれば、仕上げる料理によっておろす粗さが変えられるので便利です。
ハードチーズをかち割る切り方をするときに役に立つナイフがアーモンドナイフです。
写真のように硬いチーズを自然な形にカットできます。
このチーズをプレートに盛り付けるだけで一気におしゃれになりますよ。
レストランサービスのようにゲストの前でカットする必要がある場合はもっと細かい切り方や道具もありますが、家庭で楽しむには上記のことを頭に入れておくだけで十分です。
道具の使いやすさも人それぞれですので、ぜひいろいろ試して自分に合った道具を見つけてみてください。