最終更新日:2020/04/22
輸入フランス産チーズの中で特に馴染みのあるチーズのひとつが「ジェラール」でしょう。フランス産のロングライフチーズで日本に初めて輸入されたブランドです。
この記事ではジェラールのブルーチーズに焦点を当て、その味わいや特徴、食べ方などをご紹介します。
ジェラールは、フランスの大手乳業メーカー「サヴァンシア フロマージュ&デイリー社」のブランドのひとつです。
ジェラールが日本に輸入され始めたのが1960年、実はすでに日本に来て60年の歴史があるチーズなんです。
ジェラールといえば、ロングライフタイプ(包装後加熱殺菌して長期保存を可能にしたタイプ)のカマンベールが有名です。
現在の商品ラインナップは、そのカマンベールの他、ブリー、ミニカマンベール、クリーミーウォッシュ、そしてブルーチーズがあり、全てロングライフタイプの商品です。
ジェラール ブルーチーズは、「ブレスブルー」というフランス産チーズの製法をベースに開発された商品です。
商品名に「ブルーチーズ」とありながら、外皮は白カビに覆われており、カマンベールとブルーチーズを合わせたようなチーズです。
下の写真のようにチーズの表皮はしっかりと白カビに覆われています。
生地は、弾力があり、もっちりした食感。
表皮はカマンベール特有のシャンピニオンやアンモニアの鼻を刺すようなニュアンスも少し感じます。国産ロングライフカマンベールよりも熟成した白カビチーズのニュアンスがより強く表れています。
チーズの断面を見ると、きれいなクリーム色の詰まった生地の中にまばらに青かびが入っているのがわかります。(上の写真は上下反転させた状態で、表皮の白カビは少なめです)
口に入れるとねっとりとした生地が滑らかに溶けだし、強い風味が広がります。香りの印象以上に青かびの風味はしっかり効いています。
噛むと濃厚なミルクのコクにピリッとした青かびの辛味。塩味もやや強めです。
余韻には、ミルクと青かび、白かびが混ざった複雑な風味が鼻腔を刺激します。
典型的なブルーチーズに比べるとマイルドでクセのない味わいですが、ロングライフチーズの中では最上級の味と風味の強さがあります。
ワインを合わせるなら軽めの赤ワインがおすすめ。甘口の白ワインも好相性。普通の白ワインだと負けてしまいそうなほどチーズの味わいに強さがあります。
食べ方は、多くのブルーチーズと同様、バゲットにのせてはちみつを添える食べ方はもちろん、ブルーチーズよりも個性が強すぎないのでスモークサーモンなど様々な食材とも合わせられます。
また、ココットカマンのように、ココットに入れレンジで熱々に溶かしてミニトマトやキュウリなどの野菜と食べるのもおすすめです。
ジェラールは量産型のロングライフチーズではありますが、国産のものと比べるとより力強い印象です。
例えば、他記事で紹介した「よつ葉 大人のカマンベール&ブルー」は同タイプのチーズですが、味わいはもっとマイルドでクセのない食べやすさがあります。
ジェラールのブルーチーズは、青かび白かびの個性もしっかり感じられ、塩味も強く、チーズ文化が進んだフランスらしさがどこか感じられます。
ブルーチーズらしい強い風味と辛味も欲しいけどカマンベールのマイルドさとモッチリ感も味わいたい。そんな贅沢な要望にも応えてくれる懐の深さが魅力のチーズです。