最終更新日:2019/04/24
チーズは美味しいけど食べると太りそうだし敬遠しがちではありませんか?
実は、あなたが思ってる以上に栄養豊富で健康効果の高い食べ物なんです。
では、チーズを食べることで私たちの健康にどのような効果をもたらしてくれるのでしょうか?
この記事では、チーズがあなたの体に与える健康効果を7つご紹介します。
Contents
健康を維持する上で気を付けたいのが血糖値です。
血糖値が高くなる食事を続けていると糖尿病や肥満になるだけでなく、血管にダメージがかかり動脈硬化や循環器系疾患、脳梗塞などさまざまな病気を引き起こすこともあります。
チーズは低GI食品で、その数値は30~33程度と大豆やキノコと同レベルです。
※GI値とは、食品に含まれる糖質の吸収度合いを示す数値で、55以下の食品を低GI食品と呼びます。
低GI食品であるチーズは、食事による血糖値の上昇をコントロールし、体の健康状態を良好に保つ助けになってくれます。
上でも触れましたが、肥満の原因も血糖値の上昇と言われています。
ですので、食事にチーズを取り込むことで、血糖値の上昇を抑え、結果、脂肪をつきにくくしてくれる効果もあるんです。
ちなみに、ダイエットに関してチーズの効果を付け加えると、チーズに含まれるカルシウム、ある種のペプチド、ビタミンB2が体脂肪の燃焼を促すという報告もあります。
さらに、チーズの乳脂肪は他の食品の脂肪よりも消化吸収後に体に蓄積されにくいという特徴があります。
チーズというとダイエットの敵というイメージがありますが、取り入れ方次第で大きな健康効果をもたらしてくれます。
これまで、チーズの乳脂肪に多く含まれる飽和脂肪酸は、血清コレステロール濃度を高め、循環器系疾患のリスクが上がると考えられていました。
しかし、最新の研究では、乳製品と循環器系疾患の間には関連性がないだけでなく、むしろ乳製品、特に発酵乳製品の摂取量が多い方がそのリスクが低下すると主張する論文が多いとのこと。
また、実際にチーズから摂取する飽和脂肪酸の量は、よほど食べ過ぎない限り健康に悪い効果を及ぼす量にはなりません。
それよりも、ステーキやハンバーグなど外食で多くなりがちな肉中心の食事を見直すなど、日々の食事トータルで摂取する飽和脂肪酸の量を意識すべきです。
チーズは、循環器系疾患のリスクをむしろ減らせる効果もあることに注目です。
チーズはとても効率の良いカルシウム供給源です。
チーズの熟成中にできるカゼインホスホペプチド(CPP)がカルシウムの吸収を促進してくれます。
その吸収率は50~60%と小魚類の倍です。
さらに乳由来の塩基性たんぱく質(MBP)が骨をつくる骨芽細胞の働きを高めてくれるとも言われています。
骨は体の骨格としてだけではなく、体にさまざまなよい効果を与えてくれる大切な器官であることがわかっています。
逆に骨が細く弱くなると体はどんどん老化し衰弱していきます。
いつまでも若く健康でいるために意外と見落とされているカルシウムの摂取。
チーズを食べることで骨だけでなく体全体が若返ります。
チーズ中のたんぱく質は熟成の過程でペプチドと遊離アミノ酸に分解されます。
そのアミノ酸組成はすべての必須アミノ酸を含む20種類がバランスよく含まれています。
特にチーズは、人間の体内で生成できない必須アミノ酸を効率よく摂取できます。
それによって、筋肉量の維持・増加や美肌効果、集中力・思考力の向上など、健康かつ生き生きした生活を送るうえで必要な様々な効果が期待できます。
チーズに含まれるたんぱく質に、脳内のセロトニンを増やす効果があるという報告があります。
セロトニンが増えると、学習機能の向上や精神安定、認知症予防など、脳機能の改善に繋がります。
また、認知症原因物質の産生を抑制する効果もあることがわかっています。
特にカビ系チーズやウォッシュタイプのチーズにその効果は顕著です。
健康問題でとりわけ重要度が増す認知症にもチーズは良い効果を及ぼしてくれます。
青カビチーズに含まれる遊離脂肪酸は、胃潰瘍の原因菌であるピロリ菌を抑制する効果があることがわかってきました。
さらに、ソフトタイプのチーズには、腸内のビフィズス菌を増やす増殖因子が含まれていることが最近の研究で明らかになっています。
腸内環境を整えることは、健康を維持する上で最も大切なことと主張する専門家は多くいます。
腸内環境が健康問題のすべてを解決すると言う専門家もいるほどです。
チーズは腸に乳酸菌を生きたまま届けるプロバイオティクス食品でもあります。
健康に良い効果を与える善玉菌優勢な環境をつくるのにチーズはあなたの強い味方になってくれます。
チーズの中に含まれるカルシウムやある種のペプチドには血圧を下げる健康効果もあります。
さらに、チーズ中に多く含まれるカリウムにはナトリウムを排出する効果があり、高血圧の原因でもある塩分の取りすぎを抑えることもできます。
もちろんチーズ自体に塩分は含まれていますが、塩分を摂取しても血圧が上がりにくい性質があるんです。
血圧が上がらないと血管に強い圧力をかけることがなくなり、血管のダメージを緩和して、それに伴う疾患を予防してくれます。
例えば料理に使う塩をチーズに置き換えてみてはいかがでしょうか。
同じ塩分摂取量でもより血圧の上昇を抑え、体に優しい美味しい料理に仕上げることができれば一石二鳥です。
以上、チーズの健康効果について見てきました。
あなたが思っている以上にチーズは優秀な栄養食品であることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
もちろん、チーズには脂肪も多く含まれていてカロリーの高い食べ物ではあります。
塩分量もチーズによっては多く、食べ過ぎるのは健康的とは言えません。
しかし、単純にカロリーや脂肪量、塩分量が多いという面だけを見てチーズを評価してしまうのはもったいなさ過ぎます。
先程ご紹介したように、脂肪も質が良く体に吸収されにくい性質がありますし、塩分があっても同時に血圧を下げる効果もあるので、同量の食塩を摂取するよりも断然体に優しいのです。
さらに、必須アミノ酸をバランスよく備えた上質なタンパク源であったり、若さの維持に欠かせない骨を丈夫にしてくれたり、血糖値を下げる働きがあるなど健康に良いことがたくさんあります。
しかもチーズは発酵食品ですので、まだまだ分かっていない健康効果もあると言われています。
乳製品の健康効果については今も多くの学者が様々な主張をしています。
正直調べれば調べるほど、どの主張が正しいのか判断できなくなります。
しかし、今回ご紹介した項目は実証実験でも明らかにされている確かなものです。
ぜひあなたもチーズを上手に食卓に取り入れて健康と美しさの維持に役立ててください。
P.S.
より詳しくチーズの健康効果について知り合いあなたは、本記事の参考文献でもあるチーズプロフェッショナル協会出版の「チーズを科学する」という書籍を読んでみてください。