チーズと赤ワインとの相性を高める食べ合わせのポイントとは?

最終更新日:2018/12/02  

チーズ 赤ワイン

 

チーズとワインは王道の組み合わせでこれに文句を言う人はいないでしょう。

 

ビストロ、バー、レストランなど、ワインを扱っているところでチーズを置いていない店はまずありません。

 

「ワインのおつまみといえば?」

 

とアンケートを取ったら、チーズは確実にトップ3に入るはずです。

 

チーズとワインはまさに誰もが思う最強の組み合わせなのです。

 

ところで、あなたはチーズにはどんなワインが合うのか考えたことはありますか?

 

私がソムリエとして多くのゲストと会話をした経験から言えるのは、

 

「チーズ=赤ワイン」と考えている人が圧倒的に多いということです。

 

もちろん、レストランの場合はメインディッシュのあとに提供するので気分は赤ワインというゲストが多いというのもあるでしょう。

 

でも、たとえばgoogleで「チーズ ワイン」で画像検索してみてください。

 

どの写真に写っているのもほぼ赤ワインです。

 

それくらい「チーズ=赤ワイン」というイメージは広く浸透しているのだと思います。

 

では、実際はどうなのでしょうか?

 

今日は、ワインとチーズの組み合わせについて少し掘り下げて考えてみたいと思います。

 

そして、チーズとワインのマリアージュのコツをお伝えします。

 

 

 

実は赤ワインに合わないチーズのほうが多い?

 

 

実は、チーズに精通している人は大抵、チーズには赤ワインより白ワインやシャンパンを合わせます。

 

それは、赤ワインのタンニン(渋み)がチーズのミルキーさを打ち消してしまうからです。

 

確かに良いチーズであればあるほど、ミルクの上質な味わいがそのチーズの個性として光ります。

 

そのチーズの魅力をワインがつぶしてしまうのはチーズを愛する人間からすると我慢できないのでしょう。

 

私自身も場合によっては、赤ワインを合わせるのはとてももったいないと感じます。

 

例えば、フレッシュタイプやシェーヴルなどの爽やかなタイプにフルボディの赤ワインを合わせるのは、お刺身にコーヒーを合わせるくらいナンセンスだと思います(笑)

 

とはいえ、赤ワインが全く合わないわけではなく、むしろ赤ワインの方が合うチーズもあります。

 

要するに、チーズに赤ワインを合わせるには少し注意が必要なんです。

 

それでは、チーズと赤ワインの相性を高める3つのポイントを見ていきましょう。

 

 

赤ワインとチーズの相性を高める3原則

 

 

もちろん味の好き嫌いは人によって違いますので、完璧な組み合わせというのは存在しません。

 

しかし、大半の人がいいなと思う原則はあります。

 

今からご紹介するポイントは、赤ワインに限らず、どんな飲み物にも使えるのでぜひ参考にしてみてください。

 

1.産地で合わせる

 

 

まずはマリアージュの原則の一つとして、産地で合わせるというポイントがあります。

 

例えば、

 

サント・モール・ド・トゥーレーヌ(シェーヴル)

 ×

シノン(ライトボディの赤ワイン)

 

という王道の組み合わせは、どちらも同じフランス・ロワール地方産という点で共通しています。

 

味わいうんぬんよりも、産地が同じだからという理由は不思議と説得力があり、想像以上にマッチするものが多いです。

 

この組み合わせは賛否両論ありますが、私は良い組み合わせだと思います。

 

シノンという赤ワインは、渋みは穏やかで程よく酸味があり爽やかなワインです。

 

独特のハーブのような香りもあり、それが山羊特有の風味と調和します。

 

このように、困ったときは同郷のワインとチーズを選んでみると大抵しっくりきます。

 

 

2.味わいの強さで合わせる

 

チーズ 赤ワイン

 

次に味わいの強さで合わせるという原則です。

 

例えば、

 

ロックフォール(羊乳の濃厚なブルーチーズ)

 × 

タナ (南仏のフルボディの赤ワイン)

 

ちなみに、この組み合せも同じ南フランス産同士の組み合わせです。

 

この例のように、味わいの強さを合わせることもとても重要です。

 

そうでないと、どちらかが負けてしまい、その個性を殺してしまうことになります。

 

それでは調和しているとは言えません。

 

また、塩味と甘みの組み合わせ、渋みと脂肪の組み合わせなど味わいの要素で相性のよい組み合わせもあります。

 

例えば、ブルーチーズにはちみつは良く聞きますし、コーヒーにクリームを入れるのも同じ理屈です。

 

味わいの強さだけでなく、

 

味わいをさらに細かく分析して、組み合わせることができるともう上級者です。

 

 

3.香りの要素で合わせる

 

 

最後に、香りの要素で合わせるという原則もあります。

 

例えば、

 

ブラックペッパーのスモークチーズ

 × 

オーストラリア産シラーズ (樽と黒胡椒の香り)

 

これもソムリエがよくやるワインのマリアージュの基本です。

 

その合わせるもの同士に共通した香りがあると上手くマッチします。

 

上の例で言うと、どちらも焦がしたようなスモーキーな香りと胡椒の香りで共通しています。

 

また、味わいと同じく、香りが強いチーズに合わせるワインは同等に香りのボリュームがあるワインでないとチーズの個性にワインがつぶされてしまいます。

 

 

チーズと赤ワインを合わせてみよう!

 

以上、

 

・産地で合わせる

・味わいの強さで合わせる

・香りの要素で合わせる

 

3つのマリアージュの原則をご紹介しました。

 

これらは、あなたが組み合わせを考えるとき実は自然とやっていることだと思います。

 

でも、あらためて原則として整理して認識していると、これまでより簡単に相性のよい組み合わせを見つけることができます。

 

それでは、これらポイントを踏まえてあなたは赤ワインにどんなチーズを合わせますか?

 

難しいですが、ぜひ考えて挑戦してみてください。