最終更新日:2020/05/05
日本のチーズ市場が成熟していく中で国産のプロセスチーズの品質も確実に向上しています。
それを感じる商品のひとつが「明治北海道十勝スマートチーズ」です。
日本が世界に誇る「うまみ」に注目し日本らしさを表した商品ラインナップは独自性があり世界からも評価されています。
この記事では、明治北海道十勝スマートチーズとはどんなチーズなのか、商品概要に加え全種類の味わいの特徴や違いをご紹介します。
Contents
明治北海道十勝スマートチーズは、株式会社 明治が2008年に発売した商品です。
明治独自の「うまみ乳酸菌熟成」という技術による「濃厚なうまみ」とほろほろとほどけるような「口どけのよさ」が特徴です。
日本人が昔から馴染み好んできた昆布、醤油、味噌、かつお節などの「うまみ」、米の柔らかい「くちどけの良さ」を引き出すことで日本人のDNAに響くチーズに仕上げているところがこの商品の魅力です。
商品サイトには、スマートチーズが他のチーズよりもうまみやコクが強いことを科学的に示したデータも掲載されています。これによると、チーズの味の中で「うまみ」の要素が他社製品に比べて特に強いことがわかります。
「明治北海道十勝スマートチーズ」はチーズの分類としてはプロセスチーズに当たります。プロセスチーズとは、ナチュラルチーズを1種類もしくは多種類ブレンドし乳化剤で加熱溶解したものを冷やし固めたチーズです。
このシリーズでは、ブレンドするチーズや乳化剤、製法にこだわり、品質の高いプロセスチーズに仕上げられています。
パッケージは薄型ひと口サイズ(1個11.3g)の8個入り。
写真のように箱型のパッケージは引き出しトレーになっていてチーズが取り出しやすいよう設計されています。
現在の明治十勝スマートチーズの種類は4種類です。
ブレンドするチーズや風味の違いによって以下の種類が現在販売されています。
「チェダーブレンド」2014年リニューアル
「パルメザンブレンド」2014年発売
「和風だし かつお・昆布」2019年発売
「和風だし ほたて」2019年発売
それでは、各種類の特徴と味わいを見ていきましょう。
このチェダーブレンドは、明治オリジナルの国産ナチュラルチーズ「十勝うまみ濃厚チェダー」がチーズ中30%以上ブレンドされています。
うまみの凝縮したチェダーチーズをしっかり感じるその味わいは4種の中で最も濃厚でコクがあります。
口に入れると「ほろりとほどけるような口どけ」とある通り自然と溶けていくような心地よい食感。
チェダーの豊かな風味とともにまろやかで丸みのある味が広がります。
濃厚でありながらピリッと刺すような塩味は穏やかで舌の中心にギュッと味が集まるような強いうまみがあります。
チェダー特有の酸味も感じますが全体の味にバランスよく溶け込んでいて柔らかい印象。
余韻には濃いうまみとほのかな苦味が長く残ります。
パルメザンブレンドは、明治オリジナルの国産ナチュラルチーズ「十勝かおり濃香パルメザン」がチーズ分中30%以上ブレンドされています。
特徴は、パルメザンの豊かで芳醇な香りです。
チェダーにはないフルーティーで華やかな香りがあります。
噛むと少しジャリっとしたアミノ酸の結晶も感じ、濃厚なうまみが広がります。
味の要素では、チェダーよりもやや酸味が強く感じられ、パルメザンの華やかな風味と合わさり上品で軽やかさも感じます。
2019年スマートチーズに新たに加わった「和風だし」シリーズ。
この「かつお・昆布」は、「かつお節」のうまみであるイノシン酸と「昆布」のうまみであるグルタミン酸の合わせだしと十勝産熟成チーズの相乗効果を楽しめる商品です。
原材料には、ナチュラルチーズと乳化剤の他、かつお節エキス、かつお節エキスパウダー、昆布エキスパウダーが含まれています。
包装から取り出すと、かつお節と昆布の甘くややスモーキーな豊かな香りが広がります。
生地は柔らかく、噛むとかすかにシャリシャリとしたもの(和風だしエキスパウダー?)を感じ、ねっとりとした質感で滑らかに溶けていきます。
味のボリュームは上の2種類よりも若干穏やかで繊細な印象。
うまみが広がりつつ、やや強めの角の取れた酸味とほろ苦味が味を引き締め、豊かなだしの風味とともに余韻として長く残ります。
このチーズは、世界のチーズ業界にとって権威ある大会のひとつ「World Cheese Awards 2019」で銀賞を受賞しています。
まさに、海外受けしそうな和風だしの風味が前面に出た日本らしさを感じる味わいです。
「和風だし ほたて」は、ホタテだしのコハク酸のうまみと甘みを楽しめる商品。
原材料には、ほたてエキスパウダー、香味油が含まれています。
香りからもホタテの甘い香りが感じられます。
味わいは、ホタテの繊細な甘やかなうまみが前面に感じられ、「かつお・昆布」よりもさらに繊細な印象。
味のボリュームも強すぎず、酸味や苦味も穏やかで優しくまろやかな味わい。
味わいの各要素がバランス良く、4種の中では最も上品で繊細な印象です。
以上、明治北海道十勝スマートチーズ4種の特徴や味わいをご紹介してきました。
この商品のコンセプト通りどれも実際に食べると「うまみ」の存在がとても強く感じられます。
そもそも「うまみ」は味の中で最も分かりにくい要素のように感じます。
科学的に見ると、グルタミン酸、イノシン酸、コハク酸などの成分に由来する明確な味わいですが、知覚的には味の濃さとして何となく捉えてしまうような。
ただ、このチーズを「うまみ」を意識しながら食べてみるとその存在を分かりやすく感じることができます。
味は濃いのに塩味のピリッとした辛さは穏やか。もちろん砂糖のような強い甘みも感じません。実際スマートチーズの食塩相当量は一般的なプロセスチーズと同等で、2.5個食べてもたくあん1切れ分の塩分とのこと。
濃厚な味の印象を引っ張っているのは「うまみ」なんです。
そして、そのうまみは乳酸菌によってつくられた自然なうまみ。熟成したナチュラルチーズにしか感じないような濃厚で複雑なうまみがプロセスチーズで表現されています。
まさに日本の乳業メーカーの技術力の高さ、国産チーズの品質向上を感じる商品です。