最終更新日:2020/03/24
春に食べたいチーズのひとつが「さくら」という国産チーズです。
国内外のコンクール受賞歴も多く、まさに日本を代表するチーズです。
この記事では、さくらとはどんなチーズなのか基本情報から食べ方まで徹底解説します。
さくらは、北海道新得町にある共働学舎新得農場のチーズです。
共働学舎新得農場は、国産ナチュラルチーズ界で実力、知名度ともにトップクラスの生産者です。牛の飼育からチーズの製造、出荷まで一貫して行い、その高い品質は世界でも評価されています。そんな農場の看板商品のひとつが「さくら」です。
さくらのコンテスト受賞歴の一例は下記です。
このように、さくらは世界的にも高い評価を受けており、日本を代表するチーズのひとつであることは間違いありません。
さくらの販売期間は、1月中旬から5月下旬の期間限定で販売されるチーズです。
さくらは、北海道十勝の自然で育つブラウンスイス種の牛乳で造るソフトタイプのチーズです。
乳酸菌の力でミルクを固めてつくる酸凝固タイプで、味わいにも優しい酸味があるのが特徴です。
熟成期間は10日間で程よくフレッシュさを感じます。チーズに付いている説明書きに「酵母熟成ソフトタイプチーズ」とあるように日本由来の酵母菌も使って発酵熟成させています。
サイズは90gと小さいメダル型で、パッケージはまるで和菓子のような可愛らしさがあります。
「さくら」とひらがなで書かれた緑の紙は菓子楊枝入れのようで趣があります。しかもその紙の裏には、チーズについての説明が書かれています。
チーズのトップには桜の花の塩漬けがのせられ、チーズの底には香り豊かな桜の葉が巻かれています。このチーズを見るだけで春の気分に浸れます。
チーズの外皮は薄く柔らかく、白い粉のような微細な酵母で覆われています。桜のほのかな香りと杏仁のような甘いニュアンスも感じます。
真っ白に密に詰まった生地は柔らかいですが、ポロポロと崩れる質感です(酸凝固タイプの特徴)。
口に入れると溶け出し、ほのかなミルク甘みときめ細かい酸味を感じます。塩味は穏やかです。とても繊細な印象で余韻に上がってくる桜のフレーバーが上品さを際立たせます。
今回食べたものは、熟成がかなり若めな印象で、以前食べたものよりもよりフレッシュで風味が穏やかに感じました。チーズの説明書きに「冷蔵庫でも熟成は進んで行き、味や香りは一段と強くなります」とあるので食べてみて若いと感じたら冷蔵庫で寝かせるのも一つかと思います。
さくらの食べ方の注意点は、食べる30分前には冷蔵庫から出して常温に戻すことです。そうすることで、香りや味はより強く感じられます。
食べ合わせは、ほのかな桜のフレーバーを生かすためにもそのまま、あるいははちみつと楽しむのがおすすめです。
さくらは繊細な味わいのチーズですので、合わせる飲み物も比較的風味が穏やかなものが良いでしょう。
ワインなら軽めでフレッシュな白ワインやロゼワインがおすすめ。チーズの味に合わせて、果実味や酸味が強すぎないソフトな印象のタイプがよりマッチします。スパークリングワインや日本酒もよく合います。
そしてまた、このチーズはお茶とも相性が良いチーズです。特に日本茶がほしくなります。共働学舎新得農場のホームページでも、はちみつを添えてほうじ茶などの日本茶と楽しむ食べ方を提案しています。
実際に試してみましたが、はちみつの甘みが酸味を柔らかくしてより優しい味わいになります。ほうじ茶の穏やかな渋みや香ばしさはチーズの風味の邪魔をせず、むしろ後味の甘みや桜の香りを引き立たせます。本当に和菓子を食べているような気分になるおすすめの食べ方です。
さくらは、パッケージ、チーズの外身、味わいのどれもが日本らしさに溢れたチーズです。
私個人も桜の開花が始まる頃になるとこのチーズが食べたくなります。そして、このチーズを食べると自然と日本の風情、奥ゆかしさ、四季の楽しさ感じたりもします。
ぜひあなたも春をより楽しむために一度さくらを試してみてください。