最終更新日:2019/07/01
「料理にたっぷりチーズを使いたい」
「コスパがよくて美味しいおつまみチーズがほしい」
そんなあなたにおすすめなのが「グラナ・パダーノ」というチーズです。
イタリアを代表するハードチーズのひとつですが、パルミジャーノ・レッジャーノの影に隠れて意外と知られていません。
この記事では、グラナ・パダーノとはどんなチーズなのか、基礎知識と食べ方を徹底解説します。
チーズの分類;ハードタイプ
産地:イタリア北部
原料乳:牛乳(無殺菌乳)
グラナ・パダーノは、イタリア北部でつくられるハードタイプのチーズです。
「グラナ」は粉状におろして使うチーズの総称で、「パダーノ」は生産地であるパダーナ平野からきています。
グラナ・パダーノは、DOP(原産地名称保護)も取得している品質の高いチーズで、さらにDOPチーズの中でナンバー1の生産量を誇ります。
グラナ・パダーノはハードタイプのチーズですので、生地は硬く砕けやすい質感です。
甘く華やかな香りと濃厚すぎないミルクの甘みと旨味を感じるマイルドなハードチーズです。
グラナ・パダーノは、イタリアのハードチーズで最も有名なパルミジャーノ・レッジャーノに外見がとても似ていて混同されがちなチーズです。
では両チーズは具体的に何が違うのでしょうか。
大きな違いは次の4点です。
・熟成期間
・生産地
・一日の製造回数
・リゾチームの添加の有無
熟成期間は、基本的にグラナ・パダーノの方が短いです。
DOPの規定で定められたグラナ・パダーノの最低熟成期間は9カ月で、市場に出回っているものも長くて16カ月程度のものが多いです。
一方で、パルミジャーノ・レッジャーノの最低熟成期間は12か月、多くは24か月以上熟成しています。
この熟成期間の違いは、味わいに大きく影響します。
パルミジャーノに比べてグラナ・パダーノは、生地の質感はよりしっとり、味わいはよりマイルドでやさしく感じます。
食感もパルミジャーノにあるジャリジャリとしたアミノ酸の結晶はほとんど感じません。
グラナ・パダーノの生産地は、パルミジャーノに比べて広いです。
グラナ・パダーノの産地は、ポー川流域のパダーナ平野の30以上の県に広がっています(パルミジャーノの産地は5県のみ)。
両チーズは、1日の製造回数も違います。
パルミジャーノ・レッジャーノは1日1回という製造回数の制限があるのに対し、グラナ・パダーノは1日2回の製造が許されます。
その違いは、パルミジャーノとの生産量の差をさらに広げ、それによってチーズの価格もグラナ・パダーノの方が安くなります。
グラナ・パダーノは、発酵調整剤として卵白リゾチームの添加が認められています(パルミジャーノは添加不可)。
卵白リゾチームは、添加することでチーズの異常発酵を抑制する効果があり安定したチーズの製造に繋がります(大量生産もしやすい)。
一方で、卵白リゾチームは名前の通り卵由来の酵素ですので、卵アレルギーをお持ちの方は注意が必要です。
要するに、グラナ・パダーノは、パルミジャーノ・レッジャーノに比べて、味わいはやさしくマイルドで食べやすく、価格も安く、より庶民的で身近なチーズとも言えます。
グラナ・パダーノの最も主流な食べ方は、「グラナ」という名前の通りすりおろしてパスタやサラダ、グラタン、スープなどと楽しむ方法です。
粉状のグラナ・パダーノには、市販の粉チーズにはない華やかで複雑な風味とミルクの豊かな甘みと旨味があります。
価格もパルミジャーノよりも安いので、たっぷり使いたい人には最適です。
粉状にすりおろす以外にも、薄くスライスしてカルパッチョやサラダに添える食べ方もおすすめです。
もちろん、かち割ってそのまま食べても美味。
ただしそのまま食べる場合、ハードタイプのチーズは塩味や旨味が強いのでお酒のおつまみ向きです。
お酒と合わせるなら、ビール、濃いめの白ワインや赤ワイン全般、日本酒、ウイスキーなど大抵のお酒とマッチします。
グラナ・パダーノは、パルミジャーノ・レッジャーノよりどうしても格下に見られてしまいがちですが、逆にグラナ・パダーノの強すぎない個性とマイルドな味わいが好きという方も多くいます。
そして、パルミジャーノ・レッジャーノよりも価格が割安です。
特に、すりおろしたりスライスして料理でたっぷり使いたいあなたにグラナ・パダーノはおすすめです。
普段の料理にひとかけするだけで、風味も旨味も大幅アップ!
その使い勝手の良さから冷蔵庫の肥やしになることはありません。
コスパの良いチーズをお探しのあなたはぜひ試してみてください。