クロタン・ド・シャヴィニョル

最終更新日:2019/08/06  

 

フランス産のシェーブル(山羊乳)チーズの代表的存在がクロタン・ド・シャヴィニョルです。

 

小さなお団子のような可愛らしい形が人気のシェーブルチーズです。

 

この記事では、クロタン・ド・シャヴィニョルの基礎知識と食べ方を徹底解説します。

 

 

クロタン・ド・シャヴィニョルってどんなチーズ?

 

 

チーズの分類:シェーブルタイプ

産地:フランス・ロワール地方

原料乳:山羊乳(無殺菌乳)

 

 

クロタン・ド・シャヴィニョルは、フランス中央部にあるロワール地方でつくられるシェーブルチーズです。単に「シャヴィニョル」と原産地の小さな村の名前でも呼ばれます。

 

 

「クロタン」の名前の由来は、次の2説あります。

 

 

・「クロ(crot)」とよばれる素焼きの小さなオイルランプの名前から

・チーズの形が馬の糞(クロタン)に似ていることから

 

 

ユーモアなネーミングですが、フランス人にとても愛されているチーズです。

 

 

クロタン・ド・シャヴィニョルの特徴は、熟成の違いによる味のバリエーションです。熟成の進み方によって次のような呼び方があります。

 

 

フレ:熟成の若いもの

ドゥミセック:12日熟成したもの(日本では最も主流)

トレ・セック:さらに熟成させたもの(乾燥して生地はカチカチ)

 

他にも、青かびをまとった「ブルー」、壺に入れて熟成させた「ルパッセ」など熟成状態によって様々な呼び方があります。

 

 

日本で手に入るクロタン・ド・シャヴィニョルは、ほとんどが2週間程度熟成させた「ドゥミ・セック」です。

 

 

クロタン・ド・シャヴィニョルのドゥミ・セックはこんな感じ

 

表皮は、白い粉をうっすら纏い、所々カビに覆われ始めている。

生地は硬めだが、ナイフがスッと入るくらいの柔らかさがある。

味はミルクのやさしい甘みとともにしっかりとした酸味が爽やか。

 

 

そして、これがさらに熟成してくると、

 

表皮は青や灰色がかったカビに覆われてきます。

そして、そのカビによって内部の水分が吸われ、身が締まり生地は硬くなります。

味わいにも熟成による凝縮感と深みを感じ、ピリッとした辛みも増してきます。

 

 

トレ・セックなどかなり熟成の進んだものの表面は本当にカビに覆われているので、食べ慣れない日本人にはちょっと勇気がいるかもしれません。

 

 

クロタン・ド・シャヴィニョルの食べ方

 

クロタン・ド・シャヴィニョルは、そのまま食べても美味しいですが、焼いても美味しいチーズです。例えば焼いたシェーブルの食べ方として

 

 

・小さなココットにクロタンとオリーブオイル、ハーブを入れてオーブンで焼き上げるオーブン焼き

 

・バゲットにのせて黒コショウ、ハーブをふって焼いたものをサラダと合わせるシーブルショーのサラダ

 

 

が有名です。

シェーブルは塩味が穏やかで酸味があるチーズなのでバゲットと好相性。一緒に食べると味のバランスと食べ応えがアップします。

 

 

クロタン・ド・シャヴィニョルに飲み物を合わせるならやっぱりワインです。下記のようなワインがおすすめです。

 

 

フランス・ロワール地方のソーヴィニョンブラン種の白ワイン(チーズと同郷の爽やか系白「サンセール」「プイィ・フュメ」など)

フランス・ロワール地方のシュナン・ブラン種の白ワイン(ほのかな甘みときれいな酸味のすっきり系白ワイン「ヴーヴレ」など)

シャンパン

辛口すっきり系ロゼワイン

 

 

クロタン・ド・シャヴィニョルは、爽やかな酸味があるチーズですので、ワインも程よく軽やかで酸味がきれいな白ワインやシャンパンがよく合います。

 

 

また、熟成の若いものなら、ハーブティーもよく合います。

 

 

クロタン・ド・シャヴィニョルは熟成の変化を楽しむチーズ

 

日本ではシェーブルチーズというと、フレッシュの熟成が若いものが主流で人気ですが、フランスでは熟成したものの方が好まれます。その熟成の違いによる味の変化を楽しむシェーブルの代表がクロタン・ド・シャヴィニョルです。

 

 

上で述べたように、熟成の状態や仕方によって様々な名前が付けられています。

まさにフランスのチーズ文化の歴史や奥深さを感じますね。

 

 

日本では熟成が進んだシェーブルチーズを入手するのは難しいですが、専門店などで見かけることもあります。

機会があれば熟成による味の違いを比べてみると楽しいですよ。