あなたは気づいていますか?
血糖値の急上昇が招く恐ろしい疾患

最終更新日:2018/12/02  

 

最近よく目にしたり耳にする「糖質オフ」「低糖質」という言葉。

 

あなたも意識しているかもしれません。

 

ダイエット効果があるだけでなく、他にも体にたくさんのメリットがあるということで今糖質を控える人が増えています。

 

一方で、「そんな健康に気使って大好きな甘いものを控えて人生楽しい?」という人もいるでしょう。

 

何かと今話題のこの糖質ネタ。

 

先日、大好きなNHKスペシャルで血糖値の急上昇について興味深い特集をやっていたのでシェアします。

 

実は多くの人が起こしている血糖値の急上昇。

 

それは、大きな疾患にも繋がる大変危険な症状なのです。

 

 

 

あなたも起こしているかもしれない血糖値の急上昇

 

血糖値が高いのが体に良くないのは分かるけど、頻繁に計ることもないし意識しない。

 

健康診断で問題なかったから自分は大丈夫。

 

おそらく大方の人がこのように考えているのではないでしょうか。

 

でも意外なところに落とし穴がありました。

 

「血糖値スパイク」という症状です。

 

これは食後1時間後に血糖値が140以上に急上昇する症状です。

 

普段は正常な血糖値でも、食後に異常なほど血糖値が上がってしまうのです。

 

この血糖値スパイクの症状を持つ人は全国になんと1400万人以上いると言われています。

 

これは自覚症状もなく、年齢や体格など関係なしに起こりえます。

 

そして、この血糖値の急上昇を繰り返すと、糖尿病になりやすくなるだけでなく、心筋梗塞や脳梗塞、認知症、がんの原因にもなることが最近の研究で明らかになっているそうです。

 

つまり、あなたも血糖値を甘く見ていると大きな疾患を引き起こしかねないということです。

 

それでは、なぜ血糖値の急上昇がそのような疾患に繋がるのでしょうか。

 

そのメカニズムを見ていきます。

 

 

血糖値上昇が大きな疾病に至るまでのメカニズム

 

まず人間は食事をすると、そこで摂取した糖が血液に送り込まれます。

 

そこで膵臓からインスリンという物質が放出され、血液中の糖を筋肉などの細胞に送り込みます。

 

通常、これによって血糖値は一定のラインでキープされています。

 

しかし、体に糖を取り込む能力の低い人は、血糖値を下げるためにより多くのインスリンを必要とし、そのために膵臓は頑張って大量のインスリンを放出して何とか血糖値を下げています。

 

つまり、血糖値スパイクの症状をもつ人は、血液中の糖をスムーズに細胞に送り込むことができないので血糖値が急上昇し、その後頑張った膵臓のおかげで正常に戻るということを繰り返しています。

 

では、このことがどうして疾患につながるのでしょうか?

 

 

心筋梗塞、脳梗塞へと至るメカニズム

 

まずは、心筋梗塞と脳梗塞から見ていきます。

 

これら病気の大きな原因は、血管が硬く狭くなる動脈硬化です。

 

まず、血糖値の激しい上昇は、活性酸素を生み出します。

 

その活性酸素は血管の細胞を傷つけます。

 

傷ついた血管を修復するために免疫細胞が血管に貼りつき、中に入り込みます。

 

するとその免疫細胞が入り込んだ壁が盛り上がって血管が狭くなり、動脈硬化が多発します。

 

そして、その動脈硬化が心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすというメカニズムです。

 

 

認知症に至るメカニズム

 

次に、認知症です。

 

これは大量に放出されるインスリンが影響しています。

 

インスリンが脳内に増えると、その量を調整するために分解酵素が働きます。

 

この分解酵素はアルツハイマー病の原因物質である「アミロイドβたんぱく質」を分解する作用もあります。

 

しかし、血糖値を下げるために多量に放出されたインスリンが脳内に増えすぎると、インスリンの分解に手一杯になり、アミロイドβタンパク質が分解できなくなってしまいます。

 

結果として、残ったアミロイドβがアルツハイマー病を引き起こすというわけです。

 

がんに至るメカニズム

 

また、血液中のインスリン濃度が慢性的に高い状態が続くと、肝臓や腎臓、すい臓などの細胞に影響を及ぼし、細胞のがん化や増殖を引き起こすと考えられています。

 

このように、血糖値の急上昇は体にさまざまな悪影響を及ぼすのです。

 

でも、ここで番組は終わりません(当たり前です)。

 

実はちょっとしたポイントを押さえるだけでこの血糖値の急上昇を抑えることができるそうです。

 

 

血糖値の急上昇を抑えるコツ

 

番組で紹介していたのは、以下の3点です。

 

・食べる順番に気を付ける。

炭水化物の前に、野菜や脂肪、たんぱく質の多いお肉から食べることで、糖質の吸収を遅らせることができ、それが血糖値上昇を穏やかにしてくれるとのこと。

 

・朝ごはんを取る。

食事を長時間抜くと、そのぶん食事を取った際の血糖値が上昇しやすくなるため。

 

・食後からだを動かす。

食後は血流が胃や腸に集中するため、そこで運動をすることで血流が分散され胃腸の働きが弱まり糖の吸収が遅くなる。

 

ちょっとしたことですが、実際番組で実験して結果も出ていました。

 

ぜひあなたも参考にしてみてください。

 

 

血糖値上昇を抑えるためにチーズを食べよう

 

これまで見てきたように、血糖値の急上昇は思っている以上に体にダメージを与えていることがわかりました。

 

また、ちょっとした意識でその上昇を緩和できることもわかりました。

 

ところで、チーズも血糖値上昇を抑える働きがあるのはご存知ですか?

 

過去の記事でも書きましたが、チーズは血糖値に対してもいい仕事をしてくれます。

 

ぜひこちらの記事をご参考ください→【チーズが健康に与える7つのメリット