最終更新日:2018/12/21
「ブリヤ・サヴァラン」という言葉を聞いて、あなたは何を想像しますか?
ブリヤ・サヴァランは日本人には馴染みのない名前ですが、料理に携わる人間なら誰しも聞いたことがある世界的な美食家です。
そして、そんな偉人の名前が付いたチーズがあります。
そのひとつが「ブリヤ・サヴァラン・アフィネ」です。
まさに美食家が喜びそうな贅沢でリッチな味わいのチーズです。
この記事では、「ブリヤ・サヴァラン・アフィネ」の魅力と美味しく楽しむヒントをご紹介します。
Contents
チーズの分類;白カビ・ソフト
産地:フランス(ブルゴーニュ・シャンパーニュ地方ほか)
原料乳:牛乳
固形分中乳脂肪:72%以上
ブリヤ・サヴァランは、2017年1月19日にIGPを取得しました。
IGPとは、「Indication Géographique Protégée」の略で、「地理的表示保護」と訳されます。
AOPと同様にEUが定める品質認証システムです。AOPについては→こちら
AOPほど製法や産地の規定は厳しくなく、生産、加工、調製の過程のうち1つでもその地域と結びついていることが条件です。
しかし、たとえ生産条件はAOPより緩くても、品質はその地域の特性を備えた上質なものでなければいけません。
数えきれないほどの種類が存在するフランスチーズの中で、数限られたIGPに登録されるのはすごいことです。
造り手の情熱とチーズの高い品質がなければ到底取得できません。
そういう意味では、EUも認める高品質チーズに仲間入りしたブリヤ・サヴァランはぜひ試して頂きたいチーズです。
ブリヤ・サヴァランには、フレッシュタイプと白カビタイプがあります。
フレッシュタイプは「ブリヤ・サヴァラン・フレ」。
白カビタイプが「ブリヤ・サヴァラン・アフィネ」です。
ブリヤ・サヴァラン・アフィネの味わいは、クリームチーズのコクと甘み、それに白カビチーズ特有の風味と辛み深みがバランスよく合わさった上品な印象です。
口に入れるとすぐに溶けてクリーミーかつ風味豊かな余韻が続きます。
まさに歴史的な美食家ブリヤ・サヴァランの名に恥じない贅沢なチーズです。
1930年代に、パリの有名なチーズ商アンリ・アンドゥルエが、フランスの美食家「ブリヤ・サヴァラン(1755~1826年)」に捧げるチーズとして誕生したことに由来する。
このチーズの作り方で一番の特徴は、ミルクにクリームを足して脂肪分を高め、クリーミーでリッチな味わいに仕上げることです。
ちなみに、ミルクにクリームを添加する比率によって呼び名があります。
乳固形分脂肪(水分を除いた固形分中の脂肪の割合)が60%以上がダブルクリーム。
75%以上がトリプルクリームと呼ばれています。
ブリヤサヴァランの脂肪比率は生産者によって異なりますが、乳固形分脂肪72%はぎりぎりダブルクリームに分類されます。
ブリヤ・サヴァラン・アフィネの「アフィネ」とは「熟成させた」という意味のフランス語です。
このチーズは表面に白カビ菌を吹き付けて4週間熟成させています。
中身がとても柔らかく、特に温度が上がるとトロトロの状態になりカットの難しいチーズです。
包丁やナイフでも可能ですが、チーズ専用のナイフを使うのがベストです。
オメガナイフという中心に穴が開き、刃がのこぎり状になったナイフを使います。
皮に切れ目を入れてから、勢いよくカットします。
あるいは、ハンドリナーという針金でカットするのが最もきれいに切れます。
また、どのピースも均等な味わいになるよう、中心から放射状にカットします。
切り口を重ね折りしたアルミ箔で固定します。
それからふんわりとラップで包み、購入時に入っていたプラスチックケースに戻し冷蔵保存します。
購入後の熟成による変化は比較的少なめです。
フレッシュタイプのものよりは日持ちがしますが、購入から早い方が美味しく楽しめます。なるべく早く食べきりましょう。
とても上品なクリーミーなチーズですので、お酒やカフェとともにそのままでも十分楽しめます。
さらに、黒コショウ、シャンピニオンのデュクセルやトリュフペースト、フレッシュのフルーツ、ドライフルーツ、ナッツ、ジャムやはちみつなどを添えると違った楽しみ方ができます。
合わせる飲み物によって好みで選んでみてください。
また、クリームチーズと同様の使い方で、ドライフルーツやナッツを練りこんだパンやスモークサーモン、鶏のローストに添えてもよりコクが加わりリッチな味わいが楽しめます。
ブリヤ・サヴァラン・アフィネを代表する生産者です。キレイな白カビに覆われ、風味、生地のキメの繊細さなど安定した上質な仕上がりです。
お酒で合わせるなら、一番オススメはシャンパンです。スパークリングワインでもOK。
シャンパンの繊細で柔らかな泡と爽やかな酸がチーズのクリーミーさやコクと甘みを引き立て調和します。
一緒にサーモンの前菜と合わせてみてはいかがでしょう!
他には同郷合わせで、ブルゴーニュのシャルドネ種の白ワインもおすすめ。
このチーズは繊細なクリーム感を楽しむタイプなので、赤ワインはあまりおすすめしません。
またノンアルコールでは、コーヒーや紅茶と大変よくマッチします。これで贅沢な午後のひとときを保証します!
ブリヤ・サヴァラン・アフィネは、ファンの多いチーズです。
クリームチーズよりも繊細で滑らかな口当たりと上品な脂肪分の甘み、そこに白カビチーズの風味とピリッとしたほのかな辛みがバランスよく感じられます。
コーヒーや紅茶によく合うのも特徴で、個人的にはコーヒーとともにリンゴジャムやスパイスを添える食べ方が好きです。
このように、アレンジ次第でデザートにもなるさまざまな食べ方ができるのも魅力です。
ぜひ、あなたの定番アイテムのひとつに加えてみてはいかがでしょうか?