最終更新日:2019/07/19
青カビチーズの中で断トツの知名度を誇るのが「ゴルゴンゾーラ」です。
ゴルゴンゾーラが初めて食べたブルーチーズだという人は多いと思いのではないでしょうか?
日本人にも大変馴染みのあるゴルゴンゾーラですが、味わいのタイプが2種類あることをご存知ですか?
有名でありながら意外と知られていないゴルゴンゾーラ。
この記事では、ゴルゴンゾーラチーズの特徴や歴史、作り方から食べ方まで魅力を味わうための基礎知識をたっぷりご紹介します。
Contents
チーズの分類:青カビタイプ
産地:イタリア(ピエモンテ州・ロンバルディア州)
原料乳:牛(殺菌乳)
固形分中乳脂肪:最低48%
ゴルゴンゾーラは、イタリア北部でつくられる青カビタイプのチーズです。
世界3大ブルーチーズのひとつです。
ゴルゴンゾーラは日本でもだいぶ人気が浸透してきたブルーチーズの代名詞的な存在。
生産量も年々増加しています。
ゴルゴンゾーラには「Dolce(ドルチェ)」と「Piccante(ピカンテ)」という2種類の味わいがあります。
「ドルチェ」はカビが少なく、ねっとりした食感で風味や辛みが穏やかなマイルドタイプ。
ドルチェは、イタリア語で「甘い」「柔らかい」を意味する通り、柔らかい生地に後味に感じるミルクの甘みが特徴です。
「ピカンテ」は青カビの風味と辛みが効いた力強いタイプです。
ピカンテはイタリア語で「刺す」「辛い」というような意味で、ゴルゴンゾーラ・ピカンテはその通り舌を刺すような辛味が特徴です。
しかし、どちらのゴルゴンゾーラもともにクリーミーで後味に甘みを感じる点では共通しています。
生産量の比率的には「ドルチェ」の方が圧倒的に多いです。
ゴルゴンゾーラは歴史のあるチーズで、その起源は諸説あります。
ある資料によると、最初にゴルゴンゾーラがつくられたのは西暦879年のミラノ近郊とのこと。
ゴルゴンゾーラというチーズの名前も、ロンバルディア州ミラノの北東にあるゴルゴンゾーラ村に由来します。
当初は「ストラッキーノ・ディ・ゴルゴンゾーラ」と呼ばれていました。
ストラッキーノは、イタリア語の「ストラッコ(疲れた)」を意味し、主にゴルゴンゾーラが製造される秋、山の牧草地から主産地に下りてくる牛たちが疲れ切った様子であることに由来します。
1970年、指定地域の牛乳を使用したチーズのみゴルゴンゾーラと名乗れるよう、認可を受けた生産者からなる組合が結成。
厳しい基準を満たしたチーズだけ「G」の刻印が認められます。
①ミルクに青カビ菌、乳酸菌、凝乳酵素を加え、ミルクを凝固させる。
②型に入れてホエイの排出を促す。
③チーズが固まったら、型から取り出して塩の上を転がしながら擦り込む(塩水に浸ける場合もある)。
④細長い薄板の木枠で包んで熟成させる(4週目に入ると、針をチーズ内部に刺して青カビの繁殖を促す)。
⑤金属箔で包んで出荷。
ナイフや包丁でカットします(なるべく薄刃のものが良い)。
ゴルゴンゾーラは比較的切りやすいですが、ハンドリナーという針金でカットするとより簡単できれいです。
また、ブルーチーズは外皮周辺と中心部とではカビの入り方や辛さが違います。
ゴルゴンゾーラも切り分ける際にはカビの入り方が均等になるように意識しましょう。
ちなみに、上でご紹介したハンドリナーは、ブルーチーズ以外にもフレッシュタイプのチーズなど柔らかいチーズをカットするときに大変便利です。
トマトなどの崩れやすい野菜にも使えます。
青カビは光に弱く、組織も脆いためアルミ箔で包んで保存しましょう。
また、ゴルゴンゾーラ・ドルチェは特にチーズに含まれる水分量が多めです。
アルミ箔の内側にキッチンペーパーで包んでチーズの水分を吸収させるとより状態よく保存できます。
その際はキッチンペーパーもこまめに変えるようにしましょう。
ゴルゴンゾーラのピカンテは水分量が少なめなので比較的日持ちしますが、「ドルチェ」は水分を多く含むので期限は早めです。
ゴルゴンゾーラは購入後に熟成して風味が良くなることもないので、購入後は早ければ早いほど美味しく召し上がれます。
ゴルゴンゾーラの食べ方で何より有名なのは「はちみつ」との組み合わせです。
ゴルゴンゾーラを薄くスライスしたバゲットにのせて、はちみつをかけて頬張れば幸せな気分になれること間違いありません。
特にゴルゴンゾーラ・ドルチェは、クリーミーで粘性のあるテクスチャが特徴なので、簡単にバター感覚でパンに塗って楽しめます。
ゴルゴンゾーラのピザも王道の食べ方です。もちろん、はちみつを添えて。
いつものサラダにカットしたゴルゴンゾーラをちらせばお酒に合う大人のサラダに。
また、クリームに溶かしてパスタやグラタンのソースにするのもおすすめの食べ方です。
特に古くなったゴルゴンゾーラは、迷わずソースにしてしまいましょう。
ゴルゴンゾーラは、ブルーチーズの中では比較的安価でスーパーでも手に入りやすい身近なチーズです。
そのまま食べるのも良いですが、料理用ブルーチーズとして選ぶのにもおすすめです。
ブルーチーズのレシピは、いまや検索すればいくらでも出てきます。
ぜひいろいろな食べ方を試してみてください。
それではここではおすすめのゴルゴンゾーラをご紹介します。
また、ゴルゴンゾーラに合うワインも参考にしてみてください。
ゴルゴンゾーラでまずおすすめしたいのは「ドルチェ」です。
柔らかく、マイルドでクセの穏やかな食べやすいブルーチーズです。
ブルーチーズが得意でない人でも食べれてしまうほどです。
柔らかくてパンにも塗りやすく、それにはちみつをかけて食べれば贅沢な一品の出来上がりです。
料理に使ったり、ワインと楽しむなら辛口のピッカンテがおすすめ。
価格もブルーチーズの中では手頃で使いやすい一品です。
ゴルゴンゾーラには、甘口ワインで合わせるのがおすすめです。
例えば、同郷の甘口ワイン「レチョート・ディ・ソアーヴェ」などいかがでしょう。
間違いなく贅沢で幸せな時間を過ごせます。
ゴルゴンゾーラ・ピッカンテには、甘口の白以外に、ポートワインや陰干しブドウで造った少し甘みを感じる赤ワイン「アマローネ」「ヴァルポリチェッラ」もおすすめです。
もちろん甘口ワイン以外にも、コクありの白ワインや赤ワイン全般(渋み・酸味が穏やかなコクありタイプが特におすすめ)とよくマッチします。
これまで述べた通り、ゴルゴンゾーラには「ドルチェ」と「ピッカンテ」の2種類あり、味わいが大きく異なります。
どちらもそれぞれ魅力があるので、お好みやその時の目的に合わせてチョイスしてみてください。
そしてゴルゴンゾーラは食べ方が特に重要です。
チーズ単体をそのまま食べるというよりは、はちみつを添えたり、サンドイッチにしたり、ワインと合わせてこそゴルゴンゾーラの魅力が際立ちます。
ゴルゴンゾーラは、ブルーチーズの中で価格も手ごろですので、料理になどにもぜひ積極的に使ってみてください。
ゴルゴンゾーラのレシピや食べ方が増えるだけで食卓はより楽しくなるはずです。