ハルーミ

最終更新日:2020/05/15  

 

ハルーミは、熱に溶けにくい性質がありステーキのように焼いて食べれる珍しいチーズです。キプロスの伝統的なチーズですが、最近は日本でも流通し人気も高まってきています。

 

この記事では、ハルーミとはどんなチーズなのか。ハルーミの産地や作り方、特徴、食べ方など基礎知識を徹底解説します。

 

 

ハルーミの産地と歴史

 

ハルーミは、キプロス原産のチーズです

 

キプロスは、地中海に浮かぶ小さな島国で、その面積は日本・四国の半分程度です。

 

ハルーミチーズの起源は東ローマ帝国時代と言われています。当時からキプロスでは羊や山羊が飼育されていて、それら家畜のミルクが採れなくなる冬に向けてたんぱく源を保存する知恵としてハルーミが生み出されたとされています。

 

ハルーミは、キプロスのほかトルコなど周辺国でもつくられています。ハルーミは、現地の食生活に欠かせないチーズのひとつです。

 

原料乳は伝統的に羊乳、山羊乳のみでしたが、現在は牛乳も混ぜたり、あるいは牛乳のみでつくられるハルーミもあります。

 

現在P.D.Oの申請中で、取得すれば産地や乳種の制限も厳しくなると思われます。

 

 

ハルーミの作り方!加熱しても溶けない性質とシコシコ食感との関係

 

ハルーミは、加熱しても溶けない性質があり、また噛むと繊維状のシコシコした食感があります。それらの特徴はハルーミの独特の製法から来ています。

 

ハルーミの作り方は大まか以下のような手順で行われます。

 

1.凝乳酵素(レンネット)でミルクを凝固させる。

2.凝乳をカットし、加熱しながら撹拌してホエーの排出を促す。

3.脱水したカードを型に移し、圧縮して板状にする。

4.それを適当な大きさに切って、熱湯で煮る。

5.熱湯から引き揚げたカードに塩をまぶし、二つ折りにして成形。

6.保存性を高めるために塩水に浸ける。

※かつてミントの葉を巻いて保存していた名残から乾燥ミントがまぶされることもある。

 

このようにハルーミは、乳酸菌を加えずレンネットでミルクを凝固させ、乳酸発酵を促進しない作り方をします

 

 

少し専門的な話をすると、チーズが溶けるという性質は、生地に含まれるリン酸カルシウムの量と関係があり、リン酸カルシウムが少ないほど溶ける性質は高まります

 

リン酸カルシウムは生地のpHが下がるほど少なくなる傾向があり、製造過程で生地のpHを下げることで良く溶けるチーズに仕上げることができます。例えば、モッツァレラはチェダリング(乳酸発酵を促しpHを下げる作業)を行うことでより溶ける性質を生み出しています。

 

つまり、ハルーミの乳酸発酵を抑える(=pHを下げない)作り方も、生地が溶けにくい理由のひとつと考えられます。

 

 

もう一点、繊維状のシコシコとした食感の生地は、カードを熱湯で加熱し伸ばして二つ折りにする工程と関係があると思われます。

 

この作業によってチーズに含まれるたんぱく質が繊維状に並び、独特のハルーミの組織が形成されます(似た食感のさけるチーズと同じ仕組みです)。

 

 

ハルーミの味と特徴

 

ハルーミの生地は白く、弾力がありながらもずっしり締まった質感です。

 

 

ハルーミの製法にあるように、二つに折りたたんで成形しているため、写真のように断面の中心には亀裂があります。

 

香りは穏やかで、甘いミルクの香りです(乳種や生産者によってフレーバーは異なりミントの香りがするものも)。

 

ハルーミはフレッシュタイプのチーズなので、風味や旨味は穏やかで優しいミルクの味わいです。ただし、ハルーミは塩水に漬けて仕上げているのでチーズの味わいにも強い塩味があります

 

ハルーミの一番の特徴は、シコシコとした食感です。歯切れが良く、噛むと細かいそぼろ状に砕けながらキュッキュっと音が鳴る不思議な食感で、どこかさけるチーズに似たような感覚があります。

 

ハルーミは、加熱するとより甘味や旨味が増し、食感の弾力性も強くなります

 

 

ハルーミの食べ方

 

ハルーミは融点が高く溶けにくいので、グリルやフライにして食されることが多いチーズです。

 

そのまま食べても良いですが、フライパンにオリーブオイルをひいて表面に軽く焼き色が付くまで焼くだけで美味しさは倍増します。

 

ぜひステーキにしていつものサラダ添えてみましょう。ただし塩味が効いたチーズなのでドレッシングの塩は控えめに。生野菜にのせるだけでも美味しく楽しめます。

 

例えばこんなレシピはいかがでしょうか。

「ハルーミとトマトの爽やかサラダ」

 

キプロスでは、野菜のほか、メロンやスイカ、イチジクなどの果物と合わせたり、燻製したソーセージの薄切りと合わせたりもするようです。

 

 

味を見て、もしハルーミの塩味が気になったら塩抜きが効果的です

 

絶対塩抜きが必要なほど塩はきつくありませんが、塩抜きすることでより食べやすい味になります。

 

塩抜きは、適当なサイズの容器にスライスしたハルーミを入れ、水か牛乳に30分~1時間ほど浸します。水の場合、長く浸しすぎると水っぽくなるので注意しましょう。また、ぬるま湯やホットミルクでやるとより短時間で塩抜きできます。

 

 

ステーキにして食べれる数少ないチーズのひとつ

 

このようにハルーミは他のチーズとは少し違う個性的なチーズです。

 

日本人はチーズを溶かして食べることに馴染みはあっても、チーズをフライパンで焼いて食べる人は少ないのではないでしょうか。

 

そもそも普通のチーズで同じことをすれば溶けてカリカリになってしまいます。

 

それがハルーミであれば簡単にチーズのステーキができてしまいます。

 

そして、焼いたチーズのリッチな味わいと香ばしい風味、もっちり弾力の食感は他にはないものです。

 

あなたもぜひチーズの食べ方のひとつにハルーミのステーキを加えてみてはいかがでしょうか。

 

 

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