最終更新日:2018/12/02
ミルクはどうして白いのでしょうか。
普段特に気に留めることもないミルクの白さですが、
そう聞かれると少し気になりませんか?
今日は色の見え方についてのちょっとした科学のお話しです。
言うまでもなく物がそこにあることを認識するには光が必要ですよね。
真っ暗なところでは何も見えません。
また、真っ透明な水も簡単には認識できません。
これは、「ものが見える=光を認識する」と同時に、
「ものを認識する=ものに反射した光を認識する」ということだからです。
水が光を全く反射せず透過した場合、私たちは、水がそこにあることに気が付きません。
私たちは、物に反射した光を認識することで、そのものの存在に気づくことができるのです。
それでは、リンゴはどうして赤色に見えるのでしょうか?
それは、リンゴの表面で光の中の赤色の波長を反射し、ほかの波長を吸収しているからです。
私たちが見ることのできる光のなかにはさまざまな波長の光が含まれています。
その波長の違いから、人は色の違いを認識します。
つまり、色の違いは光の波長の違いによって生じているのです。
色は、波長が長くなるにしたがって、
紫→青→緑→黄→オレンジ→赤と徐々に変化していきます。
虹ができる仕組みもこの波長の違いが原因です。
雨上がりの大きな水蒸気に光が入ると、光は水蒸気の中で、屈折と反射を繰り返すことで、一つの光が波長ごとに分かれます。
それによってカラフルな虹ができるのです。
また、黒いものは表面ですべての色の波長を吸収することで黒く見えます。
逆に白いものは、すべての色の波長を反射することで白く見えます。
それでは、本題のミルクが白く見える理由です。
これは、ミルクの中に存在する微小なたんぱく質や脂肪球によって光が乱反射することで起こります。
ミルクの成分の9割は水分ですが、その中にたんぱく質や脂肪が含まれています。
それらは水分中に小さな球体状で存在しています。
ミルクの中に入った光は、この小さな球体によって反射を繰り返し、さまざまな方向に放射されていきます。
つまり、光はミルクの中で乱反射します。
乱反射はものの色を消して白く見せる働きをするため白く見えます。
これは雲が白く見えるのと同じ原理です。
雲も、小さな水蒸気や氷が集まることで、光はそれらに乱反射し白く見えるのです。
当然ですが、もしミルクにたんぱく質や脂肪、ミネラルが含まれていなければ、光はミルクの中で乱反射しないため透明に見えるはずです。