最終更新日:2018/12/02
チーズ屋さんでちょっと高価なチーズを買ってお家で食べたとき、
「あれ、お店で食べた時のほうが美味しかったな・・」
なんて思った経験ありませんか?
何が違うのでしょうか。
実はお家でチーズを食べるとき意外と忘れがちなとっても大切なルールが2つあります。
それは、チーズの「食べる順番」と「温度」です。
そこで今回は、チーズをより美味しく楽しむためのチーズの食べ方と温度について解説します。
以前、石田博さんという今日本のソムリエ界を牽引する優秀なソムリエのセミナーに参加したときの話です。
セミナーの前半が終わり、後半のワインテイスティングの講義前のお昼休憩という場面で、彼はひとつの警告をしました。
「それではこれからお昼休憩とします。ただし、ひとつ注意点があります。なるべく刺激物は避けてください。」
そうです。刺激物はテイスティング前にはNGなんです。
あなたも経験があることと思いますが、味覚が狂ってしまうんです。
例えば想像してみてください。
ものすごく辛い山椒たっぷり麻婆豆腐を食べた後、一杯5000円の繊細な味付けのツバメの巣のスープが出てきたら。
お店の神経を疑いますよね。
おそらくどんなに味覚の優れた人でも、その魅力の半分も感じ取れないでしょう。
また、それは刺激物に限りません。
味わいの強さにも影響されます。
甘味、酸味、塩味、苦味、うま味、すべてに当てはまります。
つまり、その前に何を食べたかで、次に食べるものの印象が左右されてしまうということです。
ですので、食事のタイミングでチーズを楽しむ場合は、食前か食後に出すのがおすすめです。
同時に他の料理と並べてしまうと、どうしてもまわりの料理に負けてしまいます。
チーズの本場フランスでは、基本的に食後にチーズを出し、ワインとともに何時間も団欒を楽しむ習慣があります。
私もこの方法が一番贅沢でおすすめな楽しみ方だと思います。
また、複数のチーズをプレートに並べて楽しむ場合も、味や香りの穏やかなものから食べると個々のチーズの魅力をより感じやすくなります。
つまり、1つめのルールをまとめると、
チーズをしっかり味わいたい場合は、食べる前に極端な刺激物は避け、他の料理と並べない。
また、チーズの盛り合わせを楽しむときも、味や香りの穏やかなものから食べる。
ということになります。
チーズをお家で食べるとき意外と忘れがちなことがもう一つあります。
それは温度です。
あなたは買ったチーズを冷蔵庫から出してすぐに食べていませんか?
それはあまりにももったいないです。
なぜかというと、冷たい状態のままだと香りが閉じこもってしまい、食感も固くなってしまうからです。
つまり、そのチーズが持つ個性が最大限に発揮されないのです。
もちろんそれはチーズの種類にもよります。
モッツァレラのようなフレッシュチーズの場合は冷やしたほうが良い場合もあります。
しかし、フレッシュ以外のチーズの場合、温度を常温くらいまで上げたほうが確実に美味しくなります。
温度が上がってくると、香りにはこれまで感じなかった要素が出てきて風味がより複雑になります。
食感もより柔らかく、口に入れた瞬間からその個性が楽しめます。
ですので、そのような状態にするために、大体食べる30分程前には冷蔵庫から出しておくようにしましょう。
例えば、食事後に楽しむ場合は、食事が始まるときに冷蔵庫から出すくらいのイメージです。
それと、冬で気温が低い場合は、もう少し長めに置きましょう。
基準は、柔らかめのチーズを触ってみて冷たくなく、かつ固い印象がなければ大丈夫です。
また、乾燥にも注意してください。
乾燥した空間にラップもせず置いておくとすぐに表面が乾燥し、固くなってしまいます。
もし事前にカットして皿に盛りつける場合はラップも忘れずに。
以上、お家でチーズをより美味しく楽しむための2つのルールをご紹介しました。
もちろんこれはあくまでも提案であって、好みは人それぞれです。
この記事をひとつの参考にしながら、ぜひ自分のスタイルでチーズを楽しんでみてくださいね。