最終更新日:2020/04/18
馴染みがあるチーズとかまぼこの組み合わせですが、小田原のかまぼこの老舗「鈴廣」が生み出すその組み合わせは斬新です。
かまぼこらしくないそのポップで華やかな見た目からは味の想像がつきません。一体どんな味がするのでしょうか?
鈴廣は、神奈川県小田原を代表するかまぼこの老舗です。東京の百貨店にも売り場を持ち、その名は広く知られています。
そんな鈴廣が2016年6月1日に発売したのが、「海山おーどぶる」シリーズ。魚のすり身に海と山の素材を合わせたオードブルかまぼこです。色どり鮮やかでバリエーションも豊か。幅広い年代に様々なシーンでかまぼこを楽しんでもらいたいという鈴廣の思いが詰まっています。
「海山おーどぶる」シリーズには和の「板前ちんみ」と洋の「グランシェフ」があり、それぞれ各3種、計6種類のバリエーションがあります。
洋のグランシェフは、「いちじく&チーズ」「ナッツ&チェダー」「サーモン&アボカド」の3種類で、その中でチーズを使っているのは「いちじく&チーズ」「ナッツ&チェダー」の2種類。ちなみに、和の「板前ちんみ」の3種類にチーズは使われていません。
それではチーズを使った「いちじく&チーズ」「ナッツ&チェダー」の2種類をより詳しくご紹介します。
「いちじく&チーズ」は、魚のすり身にドライいちじくとクリームチーズ、それにラム酒の香りをアクセントに効かせています。
写真のように大きく3つのパートからなっています。
周りを纏ったワインレッドの部分は、プリプリの質感のかまぼこ。植物由来のクチナシで赤く着色されていますが、風味はシンプルなかまぼこです。
白い部分は、クリームチーズが合わせられています。食感は滑らかとは言えずやや歯応えがあります。クリーミーで若干の甘さが残る味わいです。
茶色の部分は、いちじくが練り込まれていて、噛むとぷちぷちといちじくの種が音をたてます。味わいは穏やか。ラム酒とメープルシロップの甘い香りがかすかに感じられ、余韻にほんのり甘みが残ります。
お酒と合わせるなら、少し甘めの白ワインや日本酒がおすすめ。幅広いカクテルにも合いそうで、女子会やパーティーにぴったりです。
「ナッツ&チェダー」は、魚のすり身にクリームチーズとチェダーチーズ、それにナッツを合わせています。
周りを纏っている黄色い部分は、上と同様にプリプリ食感のシンプルなかまぼこでカロテノイドで着色されています。
中の白い部分は、クリームチーズ層で、「いちじく&チーズ」のものよりもよりクリーミーでチーズ感が強く塩味も感じます。さらに練り込まれたチェダーチーズが旨味とコクを増します。
茶色の部分にはアーモンドとピーカンナッツが練り込まれ、ザクザクとした食感で香ばしく、ゴボウのような土っぽさも感じます。後味にはほのかな甘みがあります。
全体として味は繊細でナッツの香ばしさに合わせてシャンパンやブルゴーニュの辛口白ワインなんかが合いそう。
実際にこの商品を食べて一番感じたのは繊細さです。
見た目は鮮やかに細かく彩られ、その細かい部分にも微妙な味や食感の違いを表現しています。
一方で見た目に反して味や風味は穏やかで繊細です。
人によっては見た目に期待するほどのインパクトに欠くと感じるかもしれません。
しかし、その味わいからはあくまでもかまぼこらしさを大切にする鈴廣の姿勢が伝わってきます。人工的な香料、着色料、調味料も使わず、かまぼこの繊細さを崩さない自然な味わいに仕上がっています。
一見かまぼこらしくないポップさが目を引きますが、食べてみると味わいから鈴廣のかまぼこに対する敬意を感じるような商品でした。