最終更新日:2019/03/27
あなたはチーズ専門店やレストランでたくさんの種類のチーズを前にして
「こんなに種類があるんだ!」
と驚いたことはありませんか?
そんなあなたのために、これだけは覚えておきたい人気のナチュラルチーズを18種類ご紹介します。
まずはこの18種類の人気チーズで魅力を堪能しましょう!
Contents
ナチュラルチーズは、白カビタイプや青カビタイプ、ハードタイプなどつくり方によって大きな分類ができます。
分け方はいくつかありますが、ここでは「ナチュラルチーズの7つのタイプ」と呼ばれる現在最も日本で定着している分類によってチーズの種類をご紹介します。
それでは、7つのタイプ18種類のチーズを見ていきましょう。
フレッシュタイプのチーズは、熟成せずに食べられるチーズです。
熟成させないので、総じてクセはなく塩味も穏やか、あっさりとしていて爽やかです。
サラダなどの前菜やチーズケーキなどのデザートにもよく使われます。
代表的なフレッシュタイプのチーズには以下のような種類があります。
マスカルポーネは通常のフレッシュチーズにクリームを添加してなめらかに仕上げたクリームチーズの一種です。
ティラミスなどのデザートによく使われています。
特徴はクリーミーでなめらかな舌触りと脂肪分からくる甘みとコクを感じるリッチな味わいです。
一言で例えるなら、クリームチーズと生クリームの中間的な食感と味わいです。
リコッタチーズは、billsなどの人気パンケーキに使われたりもしていますね。
このチーズは通常のフレッシュタイプのチーズとはつくり方が異なります。
チーズをつくった後に残る水分(ホエイ)にミルクやクリームを入れて加熱し、たんぱく質を熱凝固させたチーズです。
リコッタとは「二度煮る」という意味があり、このつくり方からその名が付いています。
リコッタチーズの味わいは、基本的にはフレッシュチーズの中でも脂肪分が少なくさっぱりとしています。
ただし、生産者によってクリームを添加したり、乳種も牛だけでなく羊乳や水牛乳でつくられたりと幅があります。
また、低脂肪で通常のチーズには少ないホエイプロテインが豊富に含まれています。
モッツァレラはフレッシュタイプとシュレッドチーズで使われるセミハードタイプがあります。
フレッシュタイプのモッツァレラは、繊維質の弾力ある食感で、噛むとミルキーなジュースが染み出してきます。
熱を加えるととてもよく伸びるので、ピザをつくるときの定番チーズでもあります。
フェタはギリシャの伝統的なフレッシュチーズで、その歴史は古代ギリシャ時代まで遡ります。
ミルクをチーズとして固めた後に、塩水に2か月浸けて仕上げるため、フレッシュチーズの中では最も塩気が強く、食べるときは塩抜きをして楽しみます。
フェタはサラダで大活躍のチーズで、ギリシャ料理などの地中海料理で前菜としてよく使われます。
ミルクは羊乳100%(山羊乳を30%まで添加可能)です。
木綿豆腐のようなほろりと崩れるような食感と羊乳のコクを感じるフレッシュチーズです。
表面に白カビを生育させ熟成させるタイプです。
この表面に繁殖した白カビは、チーズに含まれるたんぱく質をアミノ酸に分解しチーズを熟成させます。
熟成によって組織は柔らかくなり、味わいもより濃厚に、風味も複雑さを増します。
また、白カビチーズは原料が無殺菌乳なのか殺菌乳なのかで風味が大きく異なります。
カマンベールには大きく3つのタイプがあります。
〇無殺菌乳製
〇殺菌乳製
〇ロングライフチーズ
スーパーで見かけるカマンベールは大抵「ロングライフチーズ」です。
ロングライフチーズとは、熟成させたカマンベールを密閉容器に入れ、レトルト釜で加熱殺菌したチーズです。
微生物は死滅し熟成が止まるため、通常のチーズよりも日持ちするのがメリットです。
クセがない食べやすいチーズです。
殺菌乳でつくるカマンベールは、ロングライフチーズよりも味や風味は濃厚ですが、クリーミーでクセの少ない食べやすさが特徴です。
そして、カマンベール・ド・ノルマンディーに代表される無殺菌乳でつくるカマンベールは、香りも味わいもより複雑で味わい深いチーズです。
香りもシャンピニオンや森のようなとても複雑な要素があり、味わいもより深く、熟成によって風味が増してきます。
白カビチーズの魅力を感じるには一番おすすめなチーズです。
フランスでカマンベールと同等かそれ以上の人気を誇るのがこの「ブリ・ド・モー」です。
カマンベール・ド・ノルマンディーよりもミルキーで上品な味わいの白カビチーズです。
中身はトロリとしてクリーミーかつ濃厚です。
特徴は何といってもその大きさです。
直径で約35cmもあり、大きな木箱に入れられて輸送されます。
大きいので存在感があり、パーティーなどで大活躍します。
青カビの胞子を混ぜて成形し、チーズの中に青カビを生育させたタイプです。
青カビはチーズのなかの脂肪を分解し、独特の香りと風味を作り出します。
特有の香りや風味に加え、塩味も強くピリッとした辛みも感じます。
もちろん同じ青カビでも種類によってその強弱はありますが、基本的にワインが欲しくなるような味わいの強いチーズです。
青カビチーズには世界3大ブルーチーズと言われる世界的に評価されているブルーチーズがあります。
世界3大ブルーの1つめは、フランス産の羊のミルクのブルーチーズ「ロックフォール」です。
3種類の中で最も塩味が強く、味わいにもコクがあるブルーチーズです。
2つめは、イタリア産の牛乳製ブルーチーズ「ゴルゴンゾーラ」です。
ゴルゴンゾーラには「ドルチェ」と「ピカンテ」という2タイプの味わいがあります。
「ドルチェ」は塩味やカビの入り具合が穏やかなマイルドなタイプ。
「ピカンテ」は塩味が強く青カビもしっかり入った力強いタイプです。
どちらもそれぞれ魅力がありますが、特に「ドルチェ」はブルーチーズがあまり得意でない人でも楽しめ、ファンの多いチーズです。
はちみつを添えて楽しむのが定番です。
3つめの三大ブルーチーズは、イギリス産の牛乳製ブルーチーズ「スティルトン」です。
ロックフォールやゴルゴンゾーラ(ピカンテ)よりも塩味や香りはマイルドで、すこしバターのようなニュアンスとほろ苦さがあります。
水分量も上の2つよりも少ないので日持ちもします。
ポートワインと合わせるのがおすすめです。
チーズ表面を薄い塩水などで洗いながら熟成させるチーズです。
ウォッシュチーズの特徴は、オレンジ色の表皮です。
これは表面に生育するリネンス菌(納豆菌の一種)が出すオレンジ色の粘液からきています。
味わいは濃厚かつクリーミーで強い芳香があります。
基本的に大半のウォッシュチーズはクセが強いので好き嫌いが分かれるタイプですが、好きな人はとことん好きなチーズです。
エポワスはフランス・ブルゴーニュ産のウォッシュチーズです。
「マール・ド・ブルゴーニュ」というお酒を含んだ塩水で表面を洗いながら熟成させています。
中は柔らかく、熟成するとトロトロの状態になり、スプーンですくって食べるチーズです。
味わいはとても濃厚でクセも強いですが、独特の風味と味わい深さが多くのファンを虜にしています。
マンステールはフランス・アルザス地方の名産チーズです。
エポワスに比べると生地に弾力がありモチモチとした食感です。
オレンジ色の表皮はベタベタとしていてウォッシュチーズ特有の強い香りがあります。
一方で、中身はマイルドでミルキーな穏やかな味わいです。
そのまま食べるのはもちろん、パンにはさんだり、グラタンにしたりと様々な楽しみ方ができるのもこのチーズの魅力です。
フランス産のAOPチーズではもっとも多く生産されている人気のチーズです。
山羊乳を原料につくられたチーズです。
つくり方が他の乳種とは異なり、味わいも特徴的なのでひとつの分類として区別されています。
チーズの組織は白く、味わいはやや酸味があり爽やかです。
塩味も全体的に穏やかで優しい味わいのチーズです。
味わいは優しい一方で、風味には山羊乳特有のものがあります。
苦手な人は本当に苦手で、口中に山羊が溢れると悶絶します。
世界で最も有名なシェーヴルチーズの産地であるフランス・ロワール地方のチーズです。
フランスAOPのシェーヴルで生産量が最も多く、この特徴的な形とともに人気を博しています。
表面には木炭粉をまぶして熟成させ、中心にはライ麦の藁を通すことでチーズが割れるのを防いでいます。
味わいは酸味があってクリーミーで爽やか。
熟成してくると塩味と風味が強くなってきます。
フランス・プロヴァンス地方のシェーヴルチーズです。
ロワールのシェーヴルとは一味違い、栗の葉を纏わせて熟成させています。
栗の葉からくるハーバルな香りが爽やかです。
組織は熟成によってトロリと柔らかくなり、味わいも酸味は穏やかで旨味がのっていて濃厚です。
サントモールとは違ったシェーヴルの魅力が味わえるおすすめチーズです。
名前の通り、やや硬いタイプのチーズです。
ハードタイプとの違いは、製造過程の加熱温度の差にあります。
セミハードタイプは40℃以内で穏やかに加熱してハードチーズよりも生地に水分を残すことで、弾力のある組織に仕上げます。
熟成期間も6か月以内のものが多く、風味も穏やかです。
シュレッドチーズでよく使われるのもこのタイプのチーズで、クセがなく料理にも使いやすいメリットがあります。
イギリスを代表するセミハードチーズです。
チェダーの名前の由来ともなっている「チェダリング」という特殊な製法からくる噛むと崩れるような食感とほのかな酸味が特徴です。
今は世界中でチェダーチーズがつくられていますが、「ウェスト・カントリー・ファームハウス・チェダー」という伝統製法にこだわったチェダーの味わいは別格です。
セミハードチーズでチェダーと並んで人気なのはゴーダです。
オランダ産が有名です。
チェダーに比べると生地にはモッチリと弾力があり、味わいはよりコクと甘みを感じ濃厚です。クセはなくコクがあるのでシュレッドチーズの原料にもよく使われます。
製造過程でカードを40℃以上に加熱し、水分量の低い硬い状態に仕上げるタイプです。
どれも大型サイズのチーズで、熟成期間は6か月以上のものが多く、熟成によって旨味がどんどん増してきます。
旨味を中心とした強い味わいにもかかわらず、クセは穏やかで万人受けするタイプです。
イタリア北東部でつくられ「イタリアチーズの王様」と称されるほど代表的な存在です。
特徴は長い熟成からくる強い旨味です。
熟成によってジャリジャリとしたアミノ酸の結晶が組織に現れ、複雑で長い余韻をつくりだします。
そのまま食べるのはもちろん、すりおろしてサラダにかけるだけでワンランク上の料理に仕上がります。
24か月以上熟成させたものも比較的安価で容易に入手できます。
フランスを代表するハードチーズと言えばコンテです。
フランシュ・コンテ地方というスイスとの国境近くの山岳地帯でつくられています。
風味はパルミジャーノがトロピカルフルーツのように華やかなのに対し、コンテは栗や木の実のような甘く香ばしいニュアンスが特徴です。
余韻も複雑でフランスらしい上品な味わいが魅力です。
フランス北西部で主につくられているミモレット。
オレンジ色の生地が特徴です。
このオレンジ色は「アナト―」という天然の色素で着色されたことによります。
このチーズも他のハードチーズとは異なる独特の風味をもっていて、その風味はよく「からすみ」と例えられます。
特に長期熟成したものは旨味ものって、まさにからすみです。
和テイストの料理にアクセントで上からすりおろしても好相性。
日本人好みのチーズとも言えます。
それでは最後に、これまでご紹介した18種類のチーズの特徴をチャートで見てみましょう。
他のチーズと味を比較してみることで、そのチーズの個性をより理解することができます。
このチャートはあくまで私が個人的な解釈でまとめたものですが、チーズ選びの参考にしてもらえれば幸いです。
あなたも実際にたくさんの種類のチーズを試していけば、頭の中に自分のチャートができてきますよ。
⑬バノン
※名前をクリックすると詳細ページに移動します
今回取り上げたチーズの種類は、有名で評価が高いものの中から味わいのバランスを考えてチョイスしています。
もちろんまだまだ魅力的なチーズは山ほどあり、紹介しきれないのが残念です。
ぜひ気になったものがあったら実際に試して自分好みのチーズを見つけてみてください。
P.S.
もっといろいろなチーズを知りたいあなたは、こちらの本を読んでみるのもおすすめです。
チーズの種類を知るには最もよくできた本です。